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補助対象経費の完全ガイド:対象になる経費・ならない経費、計上の注意点【新事業進出・ものづくり補助金 第1次】

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/7/19
補助対象経費とは何か?まず押さえるべき大原則

新事業進出・ものづくり補助金では、「補助事業の事業化に必要不可欠な事業資産(有形・無形)」が補助対象経費の基本条件です。申請する枠によって対象経費の種類が異なり、革新的新製品・サービス枠では必ず機械装置・システム構築費を含める必要があります。また、採択されても全経費が自動的に認められるわけではなく、交付審査・実績報告の段階で個別に精査されます。計上前に公募要領の経費区分を必ず確認してください。

枠ごとの補助対象経費一覧:どの枠で何が使えるか

補助対象経費は申請する枠によって異なります。【革新的新製品・サービス枠】機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費の9区分。建物費は対象外です。【新事業進出枠】機械装置・システム構築費と建物費が加わり、同様の経費区分が対象。【グローバル枠】上記に加えて海外旅費・通訳翻訳費も対象となります。なお、革新的新製品・サービス枠では機械装置・システム構築費、新事業進出枠・グローバル枠では機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを必ず含める必要があります。

経費区分ごとの内容と上限ルール:特に注意が必要な4区分

【技術導入費】補助事業遂行に必要な知的財産権等の導入費用。補助対象経費総額(税抜き)の3分の1が上限。他者から取得する場合は書面による契約が必須です。【知的財産権等関連経費】補助事業の開発成果を事業化する際に必要な特許権等の取得費用(弁理士手続代行費・外国特許翻訳料など)。上限は総額の3分の1。ただし、日本の特許庁へ納付する出願料・審査請求料・特許料などは対象外です。補助事業実施期間内に出願手続きを完了していない場合も対象外となります。【外注費】補助事業遂行のための検査・加工・設計等の一部外注費用。上限は総額の4分の1。外注先との書面契約と、事業計画書への外注先概要・選定理由の記載が必要です。【運搬費】運搬料・宅配・郵送料等。ただし購入した機械装置の運搬料は機械装置・システム構築費に含めて計上します。

補助対象外となる経費:よくある落とし穴

以下の経費は対象外です。①一過性の支出が補助対象経費の大半を占める場合(事業資産の形成につながらない支出)。②機械装置等の導入にとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わない経費(革新的新製品・サービス枠の場合)。③外注費として計上できないもの:外注先による機械装置等の購入費用、外部に販売・レンタルするための量産品の加工外注費、申請者自身が行うべき手続きの代行費用。④知的財産権等関連経費として対象外となるもの:特許庁への手数料(出願料・審査請求料・特許料等)、拒絶査定に対する審判請求・訴訟費用。⑤技術導入費・外注費・専門家経費の支出先に同一事業者(みなし同一事業者を含む)を重複させること。これらは交付審査や実績報告で補助対象外と判断されるリスクがあります。

経費計上の重要ルール:採択後も油断禁物

採択はあくまで「審査通過」であり、計上した全経費が補助対象として認められることを保証するものではありません。交付審査・実績報告の段階で個別に精査され、経費区分に該当しないと判断された場合は補助対象外となります。また、機械装置・システム構築費と建物費については「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に基づいて審査が行われます。外注費・技術導入費・専門家経費の支出先が重複していないかも必ず確認が必要です。申請前に公募要領の経費注意事項を熟読し、不明点は事務局に問い合わせることを強くお勧めします。

セキュリティ対策費用:意外と使える経費

公募要領では、新製品・新サービスやシステム構築に関わるサイバーセキュリティ対策のための費用が外注費として認められることが明記されています。具体的には、ペネトレーションテスト(侵入テスト)の費用、アプリケーション・サーバー・ネットワークの脆弱性診断(セキュリティ診断)費用、JC-STARラベル取得のためのセキュリティ評価の外注費が対象です。ただし、市販のセキュリティソフト等については公募要領で要確認です。

グローバル枠限定の経費:海外旅費と通訳・翻訳費

海外旅費と通訳・翻訳費はグローバル枠のみの対象経費です。革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠では計上できません。グローバル枠は海外市場開拓(輸出)に向けた国内製造等拠点の強化を支援する枠であり、取引先主導の事業ではなく、自社が自発的に新たな海外販路を開拓する取り組みが要件です。具体的な計上ルールや上限については公募要領で要確認です。

免責事項・制度変更への注意

本記事は公募要領(第1次)を根拠に作成しています。補助金制度は公募回ごとに要件・対象経費・上限額等が変更される場合があります。また、本補助金は2026年度(令和8年度)に創設された統合的な新制度であり、旧「中小企業新事業進出補助金」・「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは別制度です。2026年度以降の公募回では制度内容が変わる可能性があります。申請にあたっては必ず最新の公募要領および事務局の公式情報をご確認ください。

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よくある質問

Q.採択されれば、申請時に計上した経費は全て補助されますか?

いいえ。採択はあくまで審査通過の意味であり、全経費が自動的に補助対象となるわけではありません。交付審査や実績報告の段階で個別に精査され、経費区分に該当しないと判断された経費は補助対象外となります。

Q.機械装置の購入費用と運搬費は別々に計上できますか?

購入した機械装置の運搬料は、運搬費ではなく機械装置・システム構築費に含めて計上するルールです。別々に計上することはできませんのでご注意ください。

Q.特許の出願料や審査請求料は知的財産権等関連経費として計上できますか?

いいえ。日本の特許庁に納付する手数料(出願料・審査請求料・特許料等)は明示的に補助対象外とされています。対象となるのは弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など、権利取得に関連する費用です。

Q.外注費・技術導入費・専門家経費で同じ外注先を使っても大丈夫ですか?

同一の事業者(みなし同一事業者を含む)を、技術導入費・外注費・専門家経費の複数区分にまたがって支出先とすることはできません。それぞれ異なる事業者への支出である必要があります。

Q.外注費の上限はいくらですか?

外注費の上限は、補助対象経費総額(税抜き)の4分の1です。また、外注先との書面による契約締結と、事業計画書への外注先概要・選定理由の記載が必要です。

Q.革新的新製品・サービス枠で建物の改修費用は計上できますか?

いいえ。建物費は革新的新製品・サービス枠の対象経費に含まれていません。建物費が対象となるのは新事業進出枠とグローバル枠のみです。

Q.海外旅費や通訳費はどの枠でも使えますか?

いいえ。海外旅費・通訳翻訳費はグローバル枠のみの対象経費です。革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠では計上できません。

Q.国際規格認証の取得費用は対象になりますか?

公募要領では、国際規格認証の取得に係る経費は知的財産権等関連経費として補助対象になると明記されています。ただし、補助上限は補助対象経費総額(税抜き)の3分の1です。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1次 p.7公募要領 第1次 p.9公募要領 第1次 p.26公募要領 第1次 p.28公募要領 第1次 p.16

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監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/19