不採択になる主な理由と再申請のポイント:審査で落ちやすい計画の特徴と立て直し方【新事業進出・ものづくり補助金 第1次】
新事業進出・ものづくり補助金(2026年度創設の統合新制度)は、公募要領に「補助対象外となる事業」として18項目もの失格要件を明示しています。さらに審査での減点要因も複数定められており、「良い事業をやっているのに落ちた」という場合は、計画書の書き方や申請資格の問題が隠れていることがあります。本記事では公募要領の記載を根拠に、陥りやすい落とし穴と立て直し方を解説します。なお、本制度は公募回ごとに要件が変更される場合があり、2026年度に旧「新事業進出補助金」「ものづくり補助金」を統合して新設された別制度です。最新の公募要領で必ずご確認ください。
【即失格①】事業の大半を外注・丸投げしている
補助事業の主な内容を他社へ外注・委託し、自社は企画だけを行う形態は、公募要領で明確に対象外とされています(p.24①)。また、補助事業の実施の大半を外注し企画だけを自社で行う場合も同様です。再申請で立て直すには、自社が主体的に実施する工程(製造・開発・販売など)を具体的に計画書に盛り込み、外注はあくまで補助的な位置づけにとどめることが必要です。
【即失格②】グループ会社や事業承継先がすでに行っている事業
みなし同一事業者(議決権50%超の親子会社など)が既に実施している事業を補助事業として申請することは認められません(p.24②③)。また、公募開始日時点で事業承継が確定している場合、承継元・承継先の事業は両方「既存事業」として扱われます。「新規性がある」と思っていても、グループ内では既に類似事業が動いていないか必ず確認してください。みなし同一事業者の判定は議決権だけでなく、代表者・住所・実質的支配者なども考慮されます(p.10)。
【即失格③】他社の計画書を流用・コピーしている
他の法人・事業者と同一または類似した内容の事業計画を申請することは対象外となります(p.24⑫)。故意または重大な過失による流用が発覚した場合、以降の申請が受け付けられなくなる可能性があります。支援機関や金融機関が主導した場合も同様のペナルティが科される場合があります。自社の実情を反映したオリジナルの計画書作成が大前提です。
【即失格④】他の補助金との経費重複・虚偽申告
過去・現在の国の補助金と補助対象経費が重複する事業は対象外です(p.25⑬⑭)。ものづくり補助金・事業再構築補助金・省力化投資補助事業などとの経費重複は特に厳しくチェックされます。過去に交付決定を受けた補助金は電子申請システムへの入力が必須で、未記載は虚偽申告として不採択になります。再申請の際は、これまで受給した補助金と今回の申請経費が重なっていないか、一つひとつ確認することが重要です。
【減点要因①】過去の補助事業の進捗が低い・要件未達
過去に新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金を受けていて、直近の事業化報告で「事業化段階3段階以下」の場合は減点されます(p.47③)。また、過去の賃上げ要件・事業場内最賃要件を達成できなかった事業者も減点対象です(p.47⑤)。不採択から再申請する場合、前回採択済みの補助事業をきちんと進捗させ、事業化報告で良い評価を得ることが審査上有利に働きます。
【減点要因②】過去3年以内に同補助金で交付決定を受けている
申請締切日を起点に過去3年以内に、ものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている事業者は減点されます(p.47④)。複数回の利用自体は禁止ではありませんが、審査上不利になることを念頭に置いた計画づくりが必要です。
【計画書の内容面】一過性支出の多さ・必須経費の欠如
補助対象経費には、補助事業の事業化に「不可欠な事業資産」が含まれている必要があります(p.26)。革新的新製品・サービス枠では機械装置・システム構築費が、新事業進出枠・グローバル枠では機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必須です。また、一過性の支出が補助対象経費の大半を占める計画は支援対象外となります。採択されても交付審査・実績報告で経費が削られる場合があるため、経費の必要性と事業との関連性を丁寧に説明することが重要です。
再申請に向けた立て直しチェックリスト
不採択後に再申請する際は、以下の点を自己点検してください。①補助事業の主体が自社であることを計画書で明示できるか。②グループ会社・事業承継先との事業の重複はないか。③他社の計画書を参考にしすぎていないか、自社オリジナルの内容か。④過去の補助金受給実績をすべて電子申請に入力しているか。⑤申請する経費に他の補助金との重複がないか。⑥必須経費(機械装置費等)が計画に含まれているか。⑦前回採択の補助事業は進捗しているか。これらを一つひとつ確認し、不採択の原因を特定した上で計画を練り直すことが再挑戦の第一歩です。なお、認定支援機関への相談は有効ですが、計画書の作成自体は必ず申請者自身が行う必要があります(p.2)。
よくある質問
Q.不採択の理由を事務局に教えてもらえますか?
本ページ執筆時点で確認できた公募要領には不採択理由の開示に関する記載はありません。詳細は公募要領または事務局サイトでご確認ください(公募要領で要確認)。
Q.一度不採択になると、次回の申請に影響しますか?
不採択そのものが次回に直接影響するとは公募要領に記載されていません。ただし、過去3年以内の交付決定回数(p.47④)や過去の補助事業の事業化進捗(p.47③)は減点要因になります。
Q.支援機関に計画書を全部書いてもらった場合はどうなりますか?
計画書の作成自体を申請者以外が行うことは認められておらず、発覚した場合は不採択・採択取消・交付決定取消の対象となります(p.2)。支援機関はあくまでアドバイス役にとどめ、最終的な文章は経営者自身が作成・確認する必要があります。
Q.同じ経費でものづくり補助金と両方申請できますか?
中小企業庁が所管する補助金(ものづくり補助金・事業再構築補助金・省力化投資補助事業等)と同一の補助対象経費を含む事業は対象外です(p.25⑭)。経費の重複がないよう、申請前に必ず確認してください。
Q.グループ会社でそれぞれ別の事業を申請することはできますか?
親会社が議決権50%超を有する子会社は「みなし同一事業者」として扱われ、1回の公募につき1申請しか認められません(p.10)。複数申請した場合、全申請者が申請要件を満たさないものとして扱われます。
Q.「新規性がある」と思っている事業でも失格になることがありますか?
はい。自社にとって新しい事業でも、グループ会社がすでに実施している、または事業承継元が実施していた事業と認定された場合は「容易に実施可能な事業」として対象外になる場合があります(p.24②③)。事業の新規性の説明だけでなく、グループ内の事業状況も整理しておくことが重要です。
Q.採択されたら補助対象経費はすべて認められますか?
採択はあくまで事業計画の評価であり、申請時に計上した経費がすべて補助対象として認められることを保証するものではありません(p.2)。交付申請・実績報告の段階で経費の妥当性が精査され、減額または全額対象外となる場合もあります。
Q.申請は第1次だけですか?次の公募はありますか?
現時点で確認されているのは第1次公募(受付:2026年8月31日〜9月30日18時)です。第2次以降の公募予定については公募要領には記載がなく、事務局サイトで最新情報をご確認ください(公募要領で要確認)。
出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第1次 p.24 ・ 公募要領 第1次 p.25 ・ 公募要領 第1次 p.26 ・ 公募要領 第1次 p.47 ・ 公募要領 第1次 p.2 ・ 公募要領 第1次 p.10
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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/23