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新事業進出・ものづくり補助金 グローバル枠 完全ガイド|上限9,000万円・海外展開の要件と裏付け資料

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/7/31
グローバル枠は「自発的な新規海外市場への国内拠点強化」が前提

グローバル枠は、自社製品等を活用して新たな海外販路を開拓するために必要な国内製造等拠点の強化を支援する枠です。補助上限は従業員規模に応じて最大7,000万円(賃上げ特例適用で最大9,000万円)、補助率は中小企業者2/3。取引先主導の輸出や既存の輸出先への横展開は対象外となる点が最大の特徴です。本ページは公募要領(第1回)に基づいて執筆しており、制度内容は公募回ごとに変更される場合があります。また、申請内容の採択を保証するものではありません。

グローバル枠の基本要件:2つの絶対条件

公募要領によると、グローバル枠に採択されるには①「自発的」であること、②「新たな海外市場」であることの両方を同時に満たす必要があります。①については、取引先や親会社から指示・依頼されて行う輸出体制整備は「自発的な取組とは言えず補助対象外」と明記されています。②の「新たな海外市場」とは、申請事業者が既存事業で対象としていなかった国・地域の市場を指します。ここでいう「地域」は行政区画ではなく、統計上で国に準じてカウントされる領域です。すでに輸出実績がある国・地域への販路拡大は対象外となるため、「どの国・地域が新規か」を整理して事業計画書に明示することが不可欠です。

補助上限額・補助率・実施期間

補助上限額は従業員数で4段階に分かれます。1〜20人:2,500万円、21〜50人:4,000万円、51〜100人:5,500万円、101人以上:7,000万円。賃上げ特例を適用すると、それぞれ3,000万円・5,000万円・7,000万円・9,000万円に引き上げられます。補助下限額は750万円で、交付審査で経費が削減されて下限を下回ると採択が取り消されます。補助率は中小企業者(小規模企業・小規模事業者・再生事業者含む)が2/3です。補助事業実施期間は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)と定められています。

対象経費と必須経費:国内枠との違い

グローバル枠で計上できる経費は、機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費、海外旅費、通訳・翻訳費です。海外旅費と通訳・翻訳費はグローバル枠特有の経費項目で、革新的新製品・サービス枠や新事業進出枠との大きな違いの一つです。必須経費の面では、グローバル枠と新事業進出枠は「機械装置・システム構築費または建物費のいずれか」を必ず含まなければなりません。革新的新製品・サービス枠では建物費が含まれず機械装置・システム構築費のみが必須とされている点が異なります。

事業計画書に盛り込むべき裏付け資料・記載内容

公募要領の書面審査ポイントによると、グローバル枠の申請では「海外販路開拓戦略が自社の事業戦略に基づくものであること」と「顧客層が国・地域単位で既存事業と異なること」を明示することが求められています。具体的には、ターゲット国・地域の市場規模・成長性のデータ、現地の競合状況や自社の差別化優位性、文化・法規制・商習慣の違いとそのリスク対応策、自発的意思決定を示す社内の経営判断経緯(取締役会議事録や経営計画書など)が有力な裏付けとなります。審査項目には「輸出先の国・地域に特有のリスクや、文化、法規制、商習慣の違いを十分に把握していること」が明記されており、現地情報の具体性が評価を左右します。定性情報だけでなく、図表・統計データ・現地パートナーとの覚書等を活用して定量的根拠を示すことが重要です。

グローバル枠限定の加点項目

公募要領によると、グローバル枠に申請する場合のみ対象となる加点が2つあります。一つは「新規輸出1万者支援プログラム加点」で、同プログラムのポータルサイトで登録が完了している事業者が対象です。もう一つは「日本の食輸出1万者支援プログラム加点」で、同ポータルサイトでの登録完了が条件です。いずれも申請事業者自身がポータルサイトで登録手続きを行う必要があります。これらの加点は申請準備と並行して登録作業を進めることで取得できるため、早期に対象要件を確認しておくことを推奨します。

審査で重視される「自発性」の証明方法

審査項目の経営戦略との整合性として、「これまでの事業活動や過去の取組との一貫性を有し、経営戦略上に明確に位置付けられたものであるか」が確認されます。グローバル枠で自発性を示すには、既存の中長期経営計画や事業計画書において海外展開の方針が事前に示されていたことを裏付けるドキュメントが効果的です。取引先からの引き合いがきっかけであっても、最終的な意思決定が自社の経営判断によるものであることを論理的に説明できれば補完できる可能性があります。一方、取引先主導であることが明白な場合は補助対象外と判断されるため、事業計画書の記述において「なぜ自社がこの国・地域を選択したか」という意思決定プロセスを丁寧に説明することが肝要です。

見積もり・経費管理の注意点

交付申請時には補助対象経費の精査が行われます。採択後であっても計上経費が全額認められるとは限らず、削減されて補助下限額の750万円を下回ると採択取消となります。契約・発注先1件あたりの見積額合計が50万円(税抜き)以上の場合は3者以上の同一条件による見積もりが必要です。海外企業からの調達も同様のルールが適用されます。また、事業計画書の作成支援をした金融機関や支援者への発注・見積もりは認められません。応募申請時に計上していない経費を交付申請時に追加することも不可とされているため、申請前の段階で必要経費を漏れなく計上しておく必要があります。

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よくある質問

Q.既存の輸出先(例:アメリカ)への新製品展開はグローバル枠の対象になりますか?

対象外となる可能性が高いです。公募要領では「新たな海外市場」を「既存事業において対象となっていなかった国・地域の市場」と定義しています。同じ国への新製品展開は、市場(国・地域)としては既存扱いになるためです。対象となるのは、これまで取引のなかった別の国・地域への進出です。

Q.海外子会社への製品供給を目的とした国内設備投資はグローバル枠の対象になりますか?

取引先(子会社含む)主導の事業と判断されると補助対象外となるリスクがあります。公募要領では取引先主導の事業を明示的に除外しています。自社の経営判断として新市場を開拓する意図と、その意思決定プロセスを事業計画書で明確に説明できるかが重要です。個別の状況については事務局への確認を推奨します。

Q.グローバル枠の補助下限額はいくらですか?

750万円です。交付審査で経費が削減されてこの金額を下回ると採択が取り消されます。申請時点では下限額を十分に上回る計画を組み、必要経費を漏れなく計上しておくことが重要です。

Q.海外旅費はどのような場合に計上できますか?

グローバル枠では海外旅費が対象経費として認められています。ただし公募要領では「補助事業の事業化に必要不可欠」な経費であることが前提で、一過性の支出と認められるような支出が大半を占める場合は対象外とされています。具体的な計上可否については公募要領の経費区分詳細を要確認です。

Q.新規輸出1万者支援プログラムへの登録は申請前に完了している必要がありますか?

公募要領では「登録が完了している事業者」が加点対象と明記されています。登録のタイミング要件の詳細については公募要領で要確認ですが、加点を確実に得るには申請締切(2026年10月30日18時)より前に登録を完了させておくことを推奨します。

Q.補助率2/3はすべての中小企業に適用されますか?

公募要領によると、中小企業者(小規模企業・小規模事業者・再生事業者含む)に2/3が適用されます。中小企業者以外の補助率については、公募要領で要確認です。

Q.事業計画書に現地の法規制情報を盛り込む必要がありますか?

公募要領の審査基準に「輸出先の国・地域に特有のリスクや、文化、法規制、商習慣の違いを十分に把握していること」が明記されています。法規制への言及は単なる加点要素ではなく、実現可能性の審査において確認される事項です。対象国の輸入規制、認証要件、商習慣の違いとそのリスク対応策を具体的に記載することを推奨します。

Q.第1回の申請締切はいつですか?

事務局の公表情報によると、申請受付開始は2026年9月30日、申請締切は2026年10月30日18時(厳守)です。当初の公募開始時から約1か月後ろ倒しとなったスケジュールです。採択発表は2027年1月頃(予定)とされています。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1回 p.9 3.グローバル枠概要公募要領 第1回 p.26公募要領 第1回 p.41公募要領 第1回 p.42公募要領 第1回 p.46公募要領 第1回 p.51

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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/31