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GXサプライチェーン補助金 完全ガイド【2026年・第2次】補助額・採択率・申請方法まで全網羅

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/8/18
基本情報(第2次公募)
最大補助額
上限なし
補助率
1/3〜2/3以内
直近の採択率
公表待ち
対象者
中小企業・小規模事業者等
公募状況
次回未定
次回締切
次回公募 未定
GX分野の国内製造拠点構築を支援する大型補助金。補助率は最大2/3、限度額なし

GXサプライチェーン補助金(正式名称:脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金)は、水電解装置・燃料電池・ペロブスカイト太陽電池・浮体式等洋上風力発電設備などGX分野の製品を国内で製造するサプライチェーンの構築を目的とした補助金です。大企業・中小企業のいずれも対象となり、補助率は原則として大企業1/3以内・中小企業等1/2以内ですが、国内に商用生産設備が存在しないなど野心的な取組と認められる場合は大企業1/2以内・中小企業等2/3以内まで引き上げられます。補助限度額は設定されておらず、令和6年度第二回では積水化学工業への交付額が約1,573億円に達するなど、超大型案件も対象となります。設備機械装置の購入が必須要件であり、代表者が面接審査に参加するなど採択基準は厳格です。制度・要件は公募回ごとに変更されるため、最新の公募要領で必ず要確認ください。

1. 制度の全体像と目的:GX投資競争に勝つための国策補助金

本事業は、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標)を宣言する国・地域が増加するなか、排出削減と産業競争力強化・経済成長を同時に実現するGX(グリーントランスフォーメーション)に向けた国際的な投資競争が激化している状況を背景に設けられました。具体的には、水電解装置・燃料電池・ペロブスカイト太陽電池・浮体式等洋上風力発電設備・HVDCケーブル(高圧直流送電ケーブル)といったGX分野の製品を世界に先駆けて国内で量産できるサプライチェーンを構築することが目的です。 事業スキームは間接補助型です。経済産業省が執行団体(補助事業者)に定額で補助し、その執行団体が実際に設備投資を行う企業(間接補助事業者)に補助金を交付します。GX経済移行債を活用した複数年度にわたる基金型事業であり、令和6年度・令和7年度・令和7年度補正と3期にわたって公募が実施されてきました。申請はjGrants(電子申請システム)で受け付けており、利用にはgBizIDプライム(取得に2〜3週間かかる場合がある)が必要です。中小企業から大企業まで幅広い法人が対象ですが、補助金交付後の設備管理・運営に責任を持てる法人格が求められます。

2. 補助額・補助率の詳細:限度額なし・最大2/3の手厚い支援

本事業の補助率は、原則として大企業1/3以内・中小企業等1/2以内に設定されています。ただし、「野心的な取組」と認められる場合には引き上げが可能で、①生産する製品の商用目的の生産設備が国内のいずれにも存在しない、②当該製品が完成品または完成品を構成する主たる部品である、③市場投入の時期・量・性能等において諸外国との関係で国際競争力を十分に有すると認められる、のすべてを満たすとき、大企業1/2以内・中小企業等2/3以内まで補助率が上がります。なお、審査の結果、希望する補助率を下回る可能性がある点には留意が必要です。 補助限度額は設定されていません。令和6年度第二回では積水化学工業(フィルム型ペロブスカイト太陽電池)の補助対象経費が約3,145億円、補助金交付額が約1,573億円にのぼり、超大型投資も対象となることが実績として示されています。一方で中小企業の片岡製作所(レーザー加工装置)も採択されており、企業規模に関係なく応募できる制度設計です。補助金の支払いは原則として間接補助事業終了後の精算払いとなるため、事業期間中の資金繰りの確保も申請準備において重要な検討事項となります。

3. 枠・類型別の特性:令和6年度〜令和7年度補正まで全8公募を整理

本事業はこれまで3期・計8つの公募回が実施されました。 【令和6年度 第一回】対象は水電解装置・燃料電池の完成品および膜・電極・触媒等の部品。受付は2024年6月28日〜8月30日正午。採択は9件で、トヨタ自動車・本田技研工業・東レ・旭化成・カナデビア(旧日立造船)等の大手が名を連ねます。 【令和6年度 第二回】対象はペロブスカイト太陽電池(完成品・レーザー加工装置)と浮体式等洋上風力発電設備(ブレード・タワー・ナセル・係留索等)。受付は2024年9月17日〜10月31日正午。採択はペロブスカイト2件・洋上風力5件の計7件。 【令和7年度 事業Ⅰ〜Ⅳ】HVDCケーブル(事業Ⅰ:古河電気工業1件採択)、水電解装置・燃料電池(事業Ⅱ)、浮体式洋上風力(事業Ⅲ:JFEエンジニアリング1件)、ペロブスカイト太陽電池(事業Ⅳ:三星ダイヤモンド工業・チカモチ純薬2件)と領域別に公募が分割されました。 【令和7年度補正 事業Ⅰ・Ⅱ】浮体式洋上風力(事業Ⅰ:ベスタス・ジャパン1件採択)、ペロブスカイト太陽電池(事業Ⅱ:フィルム型・タンデム型で申請区分を分割)。令和7年度補正では対象品目に軸受・発電機・増速機・制御装置・電力変換装置・ハブが新たに追加されています。なお、令和6年度第二回または令和7年度事業Ⅲで採択済みの同一事業は令和7年度補正事業Ⅰへの重複申請はできません。

4. 対象者・主要要件:大企業から中小企業まで、ただし厳格な条件あり

申請できるのは日本国内に登記された法人で、国内に事業実施場所を有する大企業・中小企業等です。ただし、資本金5億円以上の法人に100%保有される中小企業や、課税所得の年平均が15億円を超える中小企業は「みなし大企業」として大企業扱いとなる点に注意が必要です。共同申請やリース会社の活用も可能です。 主要要件は以下のとおりです。①補助対象製品の製造設備投資であること(設備機械装置の購入は必須)。②工場(製造業の用に供される施設)で行う事業であること。③公募要領に定める年間製造能力の最低水準と生産開始年限を達成する目標を掲げること(例:令和7年度補正事業Ⅰでは浮体基礎20基分/年・2030年度)。④事業終了後5年間以上、当該製品の生産を継続すること。 温室効果ガス排出削減の取組も必須で、Scope1(自社直接排出)・Scope2(購入電力等由来排出)の削減目標を2025年・2030年度について設定し、第三者検証のうえ毎年報告・公表することが求められます。GXリーグへの加入が代表的な手段ですが、2022年度のCO2排出量が20万t未満の企業または中小企業は代替措置が認められます。令和7年度補正では2026年度以降のGXフューチャー・リーグへの参加が求められます。

5. スケジュールと事業期間:交付決定前の発注は原則対象外

令和6年度第二回公募のスケジュールを例に挙げると、2024年9月17日公募開始→10月31日正午締切→11月1日以降に採択審査→12月以降に採択先公表(実際はペロブスカイトが12月25日、洋上風力が2025年1月24日公表)→2025年2月28日が交付申請期限という流れでした。事業終了期限(建物・設備の取得等の完了と全経費の支払い完了)は2029年2月28日に設定されていました。 令和7年度補正事業Ⅰでは2026年3月27日公募開始→5月12日正午締切→6月下旬頃採択先公表(実際は7月10日)→8月31日交付申請期限というスケジュールで進行しました。 重要なのは「原則として交付決定後に事業開始(契約・発注)が可能」というルールです。交付決定前に発注・契約等を実施したものは補助対象外となります(内示も発注行為とみなされます)。ただし、事前着手届出制度があり、受理された場合は届出に記載の「事前着手開始日として認める日」以降に発生した経費を補助対象とする場合があります。事業期間が3年以上の案件については第三者委員会による中間審査も実施されます。申請に必要なgBizIDプライムの取得には2〜3週間かかる場合があるため、余裕をもって準備することが重要です。

6. 当初予算と過去の採択情報:総額6,000億円超の国家的プロジェクト

予算規模は3期合計で膨大な額にのぼります。令和6年度事業が4,212億円(令和10年度までの国庫債務負担含む)、令和7年度事業が約1,438億円(令和11年度までの国庫債務負担含む)、令和7年度補正事業が約833億円(同)で、合計すると6,000億円を超える国家的なプロジェクトです。 採択実績(補助金交付額または交付申請額は実績値であり、実際の補助金の額とは異なる可能性がある)は以下のとおりです。令和6年度第一回:9件採択。東レ(水電解装置用電解質膜)の交付額が約187億円、本田技研工業(燃料電池・燃料電池システム)が約148億円など大型案件が目立ちます。令和6年度第二回:7件採択。積水化学工業の補助金交付額は約1,573億円と単件では最大規模です。令和7年度:古河電気工業(HVDCケーブル)の交付申請額が約307億円、JFEエンジニアリング(浮体式洋上風力)、三星ダイヤモンド工業・チカモチ純薬(ペロブスカイト関連)が採択。令和7年度補正:ベスタス・ジャパン(ナセル最終組立)が採択。応募件数は非公表のため採択率は算出できません。

7. 申請準備のポイント:面接審査・賃上げ表明・競争入札が鍵

採択を目指すうえで特に重要な準備ポイントを整理します。 【面接審査への対応】採択審査は書面審査と面接審査の二段階で行われ、面接には代表権を有する者の参加が必須です。審査では「民間企業のみでは投資判断が真に困難な事業か」(IRR=内部収益率や投資回収期間が投資判断水準に達しないことを示す経済的基準・技術的基準)が厳しく問われます。経営トップが直接説明できる体制を整えることが不可欠です。 【賃上げ表明】大企業は前年度比3%以上、中小企業等は1.5%以上の賃上げに取り組む予定があることを従業員に表明している場合に加点されます。令和6年度第二回公募要領では、表明がなされなかった場合には原則として交付決定を行わないとされており、実質的な必須要件と捉えるべきです。 【調達・契約ルール】3者以上の見積取得が原則であり、一般競争入札に準じた調達手続きが求められます。また、補助対象経費から除外されるものも多く、汎用コンピュータ・プリンタ等の目的外使用になり得るもの、土地・オフィス用建物の取得費、既存設備の撤去・移設費などは対象外です。中古品は価格設定の適正性が明確でない場合も対象外となります。 制度・要件は公募回ごとに変更されるため、最新の公募要領を必ず確認してください。

8. 今後の動向と注意事項:新規公募は事務局サイトで随時確認を

2026年8月時点で把握できているすべての公募回(令和6年度第一回・第二回、令和7年度事業Ⅰ〜Ⅳ、令和7年度補正事業Ⅰ・Ⅱ)の受付は終了しています。次回公募の予告は各事務局サイト(gx-supplychain.jp、2025.gxsc-hojo.jp、2026.gxsc-hojo.jp)およびMETIのGX関連ページで公表されますので、定期的な確認が重要です。 本事業は毎回、対象製品・対象品目・製造能力の最低水準・審査基準が更新されています。令和7年度補正事業Ⅰでは対象品目に軸受・発電機・増速機・制御装置・電力変換装置・ハブが追加されたほか、GXフューチャー・リーグへの参加要件も新設されました。また、完成品以外の部品・部材については「最新の完成品に採用されることが見込まれるもの」に限るという条件が設けられており、サプライヤーとして申請する場合は完成品メーカーとの連携状況を明確に示すことが求められます。 申請から採択・交付決定・事業完了まで数年単位のプロジェクトになるため、補助金を前提としない場合の事業計画(投資判断の根拠)とあわせて、専門家や事務局への相談を早期に開始することを推奨します。なお、本記事の情報は公開済みの一次情報・検証済みファクトに基づいており、最新の公募要領で内容を必ずご確認ください。

申請から入金までの流れ(図解)

  1. 1準備
    GビズIDプライム取得
    電子申請に必須。審査に2〜3週間かかるため最初に着手する
  2. 2準備
    公募要領の確認・計画策定
    要件・対象経費・審査項目を確認し、事業計画書を作成
  3. 3準備
    見積取得・加点準備
    一定額以上は相見積もりが必要。認定・宣言等の加点も先に着手
  4. 4申請
    電子申請システムで提出
    GビズIDでログインし、締切時刻までに提出(締切厳守)
  5. 5申請
    採択発表・交付申請
    採択=入金確定ではない。交付決定まで発注は待つ
  6. 6実行
    交付決定・事業実施
    交付決定後に発注・支払い。決定前の契約は原則対象外
  7. 7実行
    実績報告・確定検査
    証憑(契約書・請求書・振込記録)を揃えて報告
  8. 8実行
    補助金の入金
    確定後に精算払い(後払い)。それまでは自己資金・融資で立替

※ 補助金は原則「精算払い(後払い)」です。事業実施中の支払いは自己資金・融資でまかなう必要があります。各ステップの詳細な期限・手続きは公募要領で要確認。

※ 電子申請にはGビズIDプライムが必要です。アカウント発行の手続き・所要期間はGビズID公式サイトでご確認ください。

採択率の推移

本制度の採択結果はまだ公表されていません。事務局による結果公表後、申請件数・採択件数・採択率をこのページに掲載します。

※ 採択率は公募回ごとに変動します。最新の数値は公募要領・事務局公表をご確認ください。

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よくある質問

Q.中小企業でも応募できますか?

はい、大企業・中小企業等のいずれも対象です。補助率は中小企業等のほうが高く(原則1/2以内、野心的取組の場合2/3以内)、令和6年度第二回では片岡製作所(レーザー加工装置)が中小企業として採択された実績があります。ただし、資本金5億円以上の法人に100%保有される場合などは「みなし大企業」として大企業扱いになるため、事前に確認が必要です。

Q.補助対象となる経費はどの範囲ですか?

主な対象経費は①設備費(設備機械装置の購入・据付等)、②建物等取得費(工場の新設・建て替え・リフォームおよび附帯工事費)、③システム購入費(間接補助事業の実施に必要なソフトウェア)です。設備機械装置の購入は必須です。土地・オフィス用建物の取得費、既存設備の撤去・移設費、汎用コンピュータ・プリンタ等の目的外使用になり得るもの、価格設定の適正性が明確でない中古品などは対象外となります。

Q.補助率を高い水準(大企業1/2・中小企業2/3)に引き上げるには何が必要ですか?

①国内のいずれにも当該製品の商用目的の生産設備が存在しない、②当該製品が完成品または完成品を構成する主たる部品である、③市場投入の時期・量・性能等において諸外国との関係で国際競争力を十分に有すると認められる、の3要件をすべて満たす必要があります。なお、審査の結果、希望する補助率を下回る可能性もあります。

Q.交付決定前に設備の発注や設計を始めてもよいですか?

原則として、交付決定後に事業開始(契約・発注)が可能です。発注先への内示も発注行為とみなされます。ただし、事前着手届出制度があり、受理された場合は届出に記載された「事前着手開始日として認める日」以降に発生した経費を補助対象とする場合があります。交付申請に必要な基本設計費用等も原則として補助対象外のため、事前着手届出の活用を検討してください。

Q.温室効果ガス排出削減の取組は必須ですか?

はい、必須要件です。GXリーグへの加入などにより、Scope1・Scope2の排出削減目標を設定し、第三者検証のうえ毎年報告・公表することが求められます。ただし、2022年度のCO2排出量が20万t未満の企業や中小企業基本法に規定する中小企業は、その他の温室効果ガス排出削減取組の提出で代替できます。令和7年度補正では2026年度以降のGXフューチャー・リーグへの参加が新たな要件となっています。

Q.補助金の受け取りはいつになりますか?

補助金の支払いは原則として間接補助事業終了後の精算払いです。建物・設備の取得等が完了し、それらの経費がすべて支払われた時点が事業終了とみなされます。令和6年度第二回の事業終了期限は2029年2月28日でした。事業期間中の資金繰りを事前に確保しておくことが重要です。

Q.過去の採択件数・採択率はどのくらいですか?

採択件数は令和6年度第一回9件(水電解装置・燃料電池)、第二回7件(ペロブスカイト太陽電池2件・浮体式洋上風力5件)、令和7年度は4件(HVDC1件・浮体式1件・ペロブスカイト関連2件)、令和7年度補正事業Ⅰは1件(浮体式)が公表されています。応募件数は非公表のため採択率は算出できません。採択の保証はできませんが、採択事例は大手製造業から中堅・中小企業まで幅広い規模に及んでいます。

Q.次の公募はいつ始まりますか?

2026年8月時点では、把握できているすべての公募回の受付が終了しており、新規公募の予告は確認できません。最新情報は事務局サイト(gx-supplychain.jp等)やMETIのGX関連ページで随時公表されます。制度・要件は公募回ごとに変更されるため、最新の公募要領で必ず確認してください。

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監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/18