中小企業省力化投資補助金(一般型)第7次:賃上げ要件の詳細と未達時の返還リスク
省力化投資補助金(一般型)第7次では、採択後も事業計画期間を通じて賃上げ目標の達成が義務付けられています。未達の内容・程度に応じて補助金の全額または一部の返還が求められるため、申請前に要件の全体像をしっかり把握しておくことが不可欠です。なお、本制度は公募回ごとに内容が変更される場合があり、2026年度以降の統合・改変の可能性もあるため、最新の公募要領で必ずご確認ください。
基本要件①:1人当たり給与支給総額の引き上げ
事業計画期間を通じて、1人当たり給与支給総額を年平均成長率でプラス成長させることが必要です。目標値は事業者自身が設定し、交付申請時までに全従業員・従業員代表者・役員へ表明する義務があります(指定様式の「賃金引き上げ計画の表明書」を提出)。算定対象の給与には、給料・賃金・賞与・各種手当(残業・休日出勤・職務・地域・家族・住宅手当など課税対象のもの)が含まれますが、福利厚生費・法定福利費・退職金は除きます。中途採用や退職者など全月分の給与を受けていない従業員は、該当する事業年度に限り算定から除外します。また、産前産後休業・育児休業・介護休業等による時短勤務者も算定対象から除くことができます。
基本要件②:事業場内最低賃金の水準維持
補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を、毎年、事業実施都道府県の地域別最低賃金に30円を上乗せした水準以上に保つことが必要です。複数の事業場がある場合は、最低賃金が最も低い事業場の数値を基準とします。なお、最低賃金引き上げ特例の適用を受けている事業者については、この事業場内最低賃金要件は適用されません。
大幅賃上げ特例:補助上限の引き上げと追加要件
基本要件の年平均成長率を3.5ポイント以上上回るペースで1人当たり給与支給総額を引き上げる計画を策定・採択された場合、従業員数に応じて補助上限額が引き上げられます。引き上げ幅は5人以下で250万円、6〜20人で500万円、21〜50人で1,000万円、51〜100人で1,500万円、101人以上で2,000万円です。ただし、最低賃金引き上げ特例適用事業者・補助金額が上限に達しない場合・再生事業者・常勤従業員がいない場合は特例の対象外となります。特例を申請した場合は、事業計画期間終了時点でその目標を達成することが必須です。
給与支給総額が未達の場合の返還ルール
目標を下回った場合は達成率に応じた一部返還が求められます。年平均成長率がゼロまたはマイナスとなった場合は補助金の全額返還が必要です。大幅賃上げ特例を適用していない事業者については、上限引き上げ額はゼロとして計算されます。返還額の具体的な計算式は公募要領で要確認ですが、達成率が低いほど返還額が大きくなる仕組みです。
事業場内最低賃金が未達の場合の返還ルール
補助事業が完了した事業年度の翌年度以降、事業計画期間中の毎年3月末時点で事業場内最低賃金の要件を達成できていない場合、補助金額を事業計画年数で割った額の返還を求められます。ただし、付加価値額が増加していない、かつ当該事業年度の営業利益が赤字である場合や、天災など事業者の責任によらない理由がある場合は返還が免除されます。
大幅賃上げ特例が未達の場合の返還ルール
特例要件(給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上の引き上げ、および事業場内最低賃金要件)のいずれか一方でも未達の場合、補助金交付額から従業員規模ごとの通常の補助上限額との差額分(特例による上限引き上げ額)の返還が求められます。特例申請により受け取った「上乗せ分」がそのまま返還対象となるため、達成できる見込みが不確かな場合は特例申請を慎重に検討する必要があります。
申請時に必要な書類と事前準備のポイント
賃上げに関する主な提出書類として、指定様式の「1人当たり給与支給総額の確認書」と「賃金引き上げ計画の表明書」があります。また従業員21名以上の場合は、交付申請時までに「両立支援のひろば」へ次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表する必要があり、掲載には約2週間かかるため早めの準備が必要です。目標値の設定は楽観的になりすぎず、実際の賃金データに基づいて現実的な数値を設定することが重要です。
よくある質問
Q.賃上げ目標はどのタイミングで決めるのですか?
応募申請時に事業者自身が目標値を設定します。交付申請時までに全従業員・従業員代表者・役員へ表明し、指定様式の「賃金引き上げ計画の表明書」を提出することが必要です。採択後に目標値を変更できるかどうかは公募要領で要確認です。
Q.育児休業中の従業員は給与総額の計算に含めますか?
産前産後休業・育児休業・介護休業など、事業者の福利厚生等による時短勤務者は算定対象から除くことができます。また中途採用や退職などで全月分の給与を受けていない従業員も、該当事業年度に限り算定から除外します。
Q.事業場が複数ある場合、事業場内最低賃金はどう計算しますか?
補助事業を実施している複数の事業場のうち、最も事業場内最低賃金が低い事業場の数値を基準として判定します。全ての事業場で地域最低賃金+30円以上を維持できるよう管理する必要があります。
Q.大幅賃上げ特例を申請すると、どのくらい補助上限が上がりますか?
従業員5人以下で250万円、6〜20人で500万円、21〜50人で1,000万円、51〜100人で1,500万円、101人以上で2,000万円がそれぞれ申請枠の通常上限額に上乗せされます。ただし最低賃金引き上げ特例適用事業者や再生事業者などは対象外です。
Q.業績悪化で賃上げができなかった場合も返還が必要ですか?
事業場内最低賃金の未達については、付加価値額が増加しておらず当該事業年度の営業利益が赤字の場合や天災など事業者の責任によらない理由がある場合は返還が免除されます。ただし、給与支給総額の年平均成長率がゼロ・マイナスの場合の全額返還要件に同様の免除規定があるかは公募要領で要確認です。
Q.従業員が0名でも申請できますか?
応募申請時点で従業員が0名の場合、または従業員はいても基準年度・算出対象年度において全月分の給与を受けた従業員が0名の場合は、本事業に応募できません。
Q.特例申請を途中でやめることはできますか?
公募要領には特例申請の途中取り消しに関する明示的な記載がないため、公募要領で要確認です。特例による補助上限の引き上げ分を受け取った場合、要件未達時は上乗せ額の返還が求められる可能性があるため、申請前に十分な検討が必要です。
Q.第7次の受付期間はいつまでですか?
第7次の受付期間は2026年7月1日〜2026年7月31日です。ただし制度は公募回ごとに変更される場合があるため、必ず事務局の公式サイトで最新情報をご確認ください。
出典:省力化投資補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第7回 p.12 ・ 公募要領 第7回 p.10 ・ 公募要領 第7回 p.11 ・ 公募要領 第7回 p.9 ・ 公募要領 第7回 p.26 ・ 公募要領 第7回 p.8 4.補助対象事業(1)
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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/16