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省力化投資補助金 一般型 完全ガイド|人手不足の書き方・事業計画の整理術

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/7/28
「人手不足」は感覚ではなく数字で語る──事業計画書を通過させる記述の核心

省力化投資補助金(一般型)では、審査委員会が事業計画書を評価して採択者を決定します。公募要領によると、人手不足の状況・課題・取組内容・省力化効果を「具体的かつ詳細に」記載することが求められています。採用難・離職・残業時間などの現状を定量データで示し、設備導入による削減効果を省力化指数として数値化することが、説得力ある計画書の骨格となります。本ページでは第7回(受付:2026年7月1日〜7月31日)の公募要領をもとに、人手不足の記述方法を整理します。本事業の要件・補助額は公募回ごとに変更される場合があり、本ページの情報は採択を保証するものではありません。

なぜ「人手不足の状況」を詳しく書かなければならないのか

公募要領では、事業計画書に「人手不足の状況、課題、実施体制、取組内容及び設備・システム導入によりどの程度省力化が図られるのかを具体的かつ詳細に記載すること」が明示されています。また審査においても、「人手不足という我が国の社会課題を解決する製品の市場拡大に寄与することが期待できるか」という観点が評価項目に含まれます。つまり自社の困りごとを訴えるだけでなく、社会課題の解決手段として自社の取組を位置づけることが求められています。単に「人が集まらない」と書くのではなく、どの工程で・何人分の不足が生じており・それが事業成長にどう支障をきたしているかを具体的に示すことが出発点となります。

採用難・離職・残業を数字に落とし込む3ステップ

【ステップ1:現状の定量把握】採用活動で何名募集して何名採用できたか、過去3年程度の離職率や平均勤続年数、月間残業時間の実績などを、自社の賃金台帳・タイムカード・求人履歴などから集めます。「慢性的に残業が発生している」ではなく「月平均◯時間の残業が◯名に常態化している」という記述が審査で評価されます。【ステップ2:課題工程の特定】どの業務プロセスで人手が不足しているかを工程別に整理します。公募要領は「不可欠な工程ごとの開発内容を明確にしながら記載すること」を求めており、全体像ではなく工程単位での掘り下げが必要です。【ステップ3:省力化指数への接続】設備導入により削減される業務時間を算出し、省力化指数(業務量削減割合)として示します。公募要領によると、省力化指数の計算は要件となっており、根拠資料の提出も必要です。現状の残業・非効率作業の時間データが、そのまま省力化指数の算定根拠となるため、ステップ1〜2の数字を丁寧に積み上げることが後工程の計算を支えます。

「今まで何をしてきたか」の経緯記述が必須である理由

公募要領は「今までの自社での取組の経緯・内容をはじめ、今回の補助事業で機械装置等を取得しなければならない必要性を示すこと」を明記しています。これは「なぜ今なのか」「なぜこの設備でなければならないのか」を説明する箇所です。たとえば「採用強化・賃上げ・業務マニュアル整備などを実施したが依然として人手不足が解消しない」「既存設備では対応できない工程がある」といった取組の限界を示すことで、設備投資の必然性が際立ちます。経緯を書かずに設備の仕様だけ記述した計画書は、「なぜ補助金が必要なのか」という審査の問いに答えられません。

省力化された労働力を「どこに活かすか」まで書く

公募要領では、補助事業で省力化された労働力を補助事業以外の事業にどう活かすかを、「会社全体における柔軟なリソースの最適化の観点を踏まえて記載すること」と求めています。たとえば「◯工程を自動化することで生まれた月◯時間を、新規顧客開拓・品質管理・他部門の応援に充てる」という形で、解放された人的リソースの行き先を示す必要があります。この記述が、会社全体の労働生産性や1人当たり給与支給総額といった数値目標(事業計画表)と整合している必要があり、人手不足解消→業務再配置→生産性向上という因果の連鎖を計画書全体で一貫させることが重要です。

事業計画表(数値目標)との整合を取る方法

公募要領によると、事業計画表には「労働生産性」「1人当たり給与支給総額」「省力化指数」「投資回収期間」「付加価値額」などを記載し、算出根拠を示すことが求められます。また補助事業終了後も毎年度の効果報告で伸び率の達成状況が確認されます。人手不足の記述と数値目標の整合ポイントは次の通りです。①省力化指数は「削減される業務時間÷現状の総業務時間」で算出し、採用難・残業の現状データと一致させる。②付加価値額の増加は、省力化で生まれた余力を新事業・品質向上に充てることで実現する道筋を示す。③1人当たり給与支給総額は、事業計画期間を通じて年平均3.5%以上増加させることが基本要件となっており、未達の場合は達成率に応じた補助金返還が求められます。賃金引き上げ計画と人手不足対策は別々に考えず、一体の計画として整理することが実務上の重要ポイントです。

図表・写真を使った「見せる」記述の実務ポイント

公募要領は「必要に応じて図表や写真等を用い具体的かつ詳細に記載すること」を繰り返し求めています。文章だけでは伝わりにくい業務フローの変化は、導入前後の工程図や作業時間の比較表で示すと審査委員が評価しやすくなります。また型番・取得時期・技術導入時期の詳細なスケジュール記載も必須とされています。写真については、現在の作業現場の様子(手作業の実態)と導入予定設備のイメージを並べることで、人手不足の深刻さと解決策の具体性が視覚的に伝わります。ただし、図表はあくまで文章の補完であり、審査委員が図表だけで判断できるよう文章との対応を明確にすることが重要です。

事業計画書は申請者自身が作成する義務がある

公募要領では、事業計画書は申請者自身が作成することが原則とされており、外部支援を受けた場合は支援者名と報酬額を申請画面に記載することが義務づけられています。記載がない場合は虚偽申請として不採択・採択取消・補助金返還の対象となり得ます。人手不足の記述についても、自社の実情を最もよく知るのは経営者自身です。外部専門家に表現を整えてもらうことは否定されていませんが、数字の根拠(タイムカード・採用履歴・売上データ等)は申請者が用意し、内容を自ら理解・確認したうえで申請する必要があります。

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よくある質問

Q.採用難の根拠として、求人票や応募記録は証拠として使えますか?

事業計画書の記載根拠として、求人媒体への掲載履歴・応募数・採用数の推移は有効な裏付け資料になります。ハローワークへの求人票控えや民間求人媒体の掲載実績なども手元に整理しておくと、数値の信頼性が高まります。ただし、提出を求められる書類の種類や様式は公募要領で要確認です。

Q.残業時間のデータがない場合、どう代替できますか?

タイムカードや勤怠管理システムのデータが最も信頼性が高いですが、ない場合は給与明細の残業手当実績・シフト表・業務日誌などから推計する方法があります。重要なのは根拠が明示できることで、「おそらく残業が多い」という主観的表現ではなく、推計方法を含めて記述することが求められます。具体的な代替資料の採否は事務局の判断によりますので、詳細は公募要領で要確認です。

Q.省力化指数はどのように計算すればよいですか?

公募要領によると、省力化指数は「設備導入により削減される業務に要していた時間」を基に算出します。基本的な考え方は「削減業務時間÷現状の総業務時間」です。既存業務の削減時間を組み込むことが基本で、新規出店などで新たに生まれる潜在的な人手削減時間も加算できます。投資回収期間と同様に根拠資料の提出が必要ですので、業務時間の計測データを用意しておきましょう。

Q.人手不足の記述は「現場の課題」だけでよいですか?

現場の課題だけでは不十分で、省力化された労働力を会社全体でどう再配置するかまで示す必要があります。公募要領は「会社全体における柔軟なリソースの最適化」の観点での記載を求めており、解放した人手を新規事業・品質改善・他部門強化などに活用する計画が、労働生産性や付加価値額の数値目標と連動して記述されていることが重要です。

Q.賃上げ目標を達成できなかった場合のリスクはどの程度ですか?

1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上増加させることが基本要件で、未達の場合は達成率に応じた補助金返還を求められます。返還額の算定方法の詳細は公募要領で要確認ですが、目標値を交付申請時に全従業員または従業員代表者・役員に表明することが義務となるため、達成困難な高すぎる目標設定も避けるべきです。人手不足対策と賃上げ計画は一体で現実的な数字を設定しましょう。

Q.カタログ注文型と一般型、人手不足の記述量はどちらが多いですか?

公募要領によると、一般型はカタログ注文型より審査項目が多く、省力化効果・付加価値向上・投資の妥当性・設備の革新性などを総合的に審査します。人手不足の記述についても、一般型では「具体的かつ詳細に」という表現が複数箇所に登場しており、より詳細な記述が求められます。カタログ注文型の申請が迅速・簡易であることも公募要領に明示されているため、まずカタログ登録製品を確認することが推奨されています。

Q.第7回の申請期限はいつですか?

事務局の公表情報によると、第7回の受付期間は2026年7月1日〜2026年7月31日です。電子申請システムのみでの受付となっており、GビズIDの取得に2〜3週間かかるため、未取得の場合は早急に手続きを開始してください。期限直前の申請は不備修正の時間的余裕がなくなるリスクがあります。

Q.導入設備の型番が申請時点で未確定の場合はどうすればよいですか?

公募要領では、事業期間内に投資する機械装置等の型番・取得時期・技術導入時期の詳細なスケジュール記載が必要とされています。型番が未確定の場合の取り扱いについては、公募要領で要確認です。審査委員会は事業計画書の記載内容を評価するため、具体性の欠如は審査上不利になる可能性があります。メーカーや販売代理店と早期に調整し、可能な限り具体的な情報を記載することが望ましいです。

出典:省力化投資補助金 事務局サイト公募要領 第7回 p.28公募要領 第7回 p.30公募要領 第7回 p.2公募要領 第7回 p.3公募要領 第7回 p.10公募要領 第7回 p.11

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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/28