新事業進出補助金(第3次)賃上げ要件の詳細と未達時の返還リスク
新事業進出補助金では、採択・交付後も一定期間にわたり賃上げ目標の達成が求められます。給与支給総額の増加と事業場内最低賃金の引き上げという二つの軸で評価されるため、事前に自社の人件費計画を精緻に試算しておくことが不可欠です。大幅賃上げ特例を活用して補助上限を引き上げた場合は、達成できなかった際の返還リスクも大きくなります。なお、具体的な数値基準・判定時期・返還計算方法は公募要領で要確認です。
賃上げ要件とは何か:二つの指標を押さえる
補助金の賃上げ要件は、大きく①給与支給総額(全従業員への給与・賞与等の合計額)の増加率と、②事業場内最低賃金(自社で最も低い時給換算額)の引き上げ額、という二軸で構成されるのが一般的です。①は会社全体の人件費が計画どおり増えているかを見るもので、②は最低賃金水準で働く従業員への配慮を示すものです。第3次公募における具体的な増加率・引き上げ額の数値は公募要領で要確認です。
大幅賃上げ特例:補助上限9,000万円のメリットと裏側
事務局の公表情報によると、大幅賃上げ特例を適用することで補助上限が最大9,000万円(従業員規模による)まで引き上げられます。これは標準の上限を超える資金調達が可能になるため魅力的ですが、その分だけ達成すべき賃上げ水準も高く設定されます。特例を選択した場合、通常要件よりも高い給与支給総額の増加率や最低賃金の引き上げ幅が求められると考えられます。「補助上限を最大化するために特例を選んだが、賃上げ達成が困難になった」という事態を防ぐため、申請前に現実的な人員・賃金計画を策定してください。特例の具体的な数値基準は公募要領で要確認です。
未達時の返還リスク:どのような場合に返還が発生するか
補助事業完了後の事業化報告期間中に賃上げ目標が未達と判定された場合、交付された補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があります。返還額の計算方法(未達率に応じた比例返還か、全額返還かなど)は制度設計によって異なるため、公募要領で要確認です。特に大幅賃上げ特例を利用した場合は、引き上げられた補助上限分が返還対象になるリスクがある点に注意が必要です。やむを得ない事情(重大な経営環境の変化など)が考慮されるケースもありますが、その判断基準も公募要領・事務局確認が必要です。
賃上げ要件を達成するための実務的な備え
賃上げ要件を安定的に達成するには、①補助事業期間中の採用・昇給計画を数値で作成する、②毎月の給与台帳で給与支給総額と事業場内最低賃金を継続モニタリングする、③従業員の退職・雇用形態変更が数値に与える影響をシミュレーションする、といった管理体制が有効です。特に事業場内最低賃金は、パートタイム従業員が一人でも基準を下回ると要件違反となる可能性があるため、時給換算の管理を徹底してください。
申請前に必ず確認すべきポイント
本補助金は2025年度に創設された新しい制度であり、第3次公募の受付期間は2026年2月17日〜3月26日です。電子申請にはGビズIDが必須で、取得には2〜3週間かかるため早急な取得手続きが必要です。賃上げ要件の数値・判定タイミング・返還ルールなど、本記事では公募要領に記載のない部分を『公募要領で要確認』としています。必ず最新の公募要領および事務局サイト(https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/)で正確な情報を確認してください。なお、本制度は公募回ごとに要件が変更される場合があり、2026年度以降は制度が統合・改編される可能性があります。
よくある質問
Q.給与支給総額は何年度を基準に増加を測りますか?
基準年度の設定方法(申請前年度比、事業開始年度比など)は公募要領で要確認です。申請時に提出する賃金台帳・給与明細等の書類も合わせて確認してください。
Q.事業場内最低賃金は地域別最低賃金との関係はどうなりますか?
一般的に、事業場内最低賃金は地域別最低賃金を一定額上回ることが求められますが、具体的な上回り額は公募要領で要確認です。
Q.大幅賃上げ特例を選ばなくても補助金は受けられますか?
はい、特例を選択しなくても補助金の申請・採択は可能です。その場合、補助上限は標準の金額(従業員規模に応じた額)が適用されます。達成可能な賃上げ水準と事業規模を比較して特例の要否を判断してください。
Q.途中で従業員が退職して給与支給総額が下がった場合はどうなりますか?
退職等により給与支給総額が目標を下回った場合、要件未達として返還を求められる可能性があります。やむを得ない事情として考慮されるか否かの判断基準は公募要領・事務局で要確認です。
Q.賃上げ達成の確認(報告)はいつ行いますか?
補助事業完了後の事業化報告期間中に定期報告が求められるのが一般的ですが、報告時期・回数・必要書類は公募要領で要確認です。
Q.返還が発生した場合、返還額はどのように計算されますか?
未達率に比例した返還、または特例による増額分の返還など複数の計算方式が考えられますが、具体的な算定ルールは公募要領で要確認です。
Q.GビズIDをまだ持っていません。今から間に合いますか?
GビズIDの取得には一般的に2〜3週間かかります。第3次公募の締切は2026年3月26日のため、今すぐ申請手続きを開始することを強く推奨します。
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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/21