新事業進出・ものづくり補助金 対象者 完全ガイド|資本金・従業員数・みなし大企業の除外要件
新事業進出・ものづくり補助金(第1回)は、中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する中小企業者(会社または個人)が主な対象です。業種ごとに資本金・常勤従業員数の上限が定められており、その両方または一方が基準以下であれば要件を満たします。個人事業主も対象に含まれます。一方、大企業や実質的に大企業と同視される「みなし大企業」は除外されます。なお、本制度は2026年度(令和8年度)に創設された新制度であり、公募回ごとに要件が変更される場合があります。本ページの情報は採択を保証するものではありません。
業種別・中小企業の定義(資本金・従業員数の上限一覧)
公募要領によると、中小企業者に該当するためには「資本金または常勤従業員数」が業種ごとの基準以下であることが条件です。資本金と従業員数の両方が基準を超えると大企業扱いになります。以下が業種別の上限値です。 ■製造業・建設業・運輸業:資本金3億円以下、または常勤従業員数300人以下 ■卸売業:資本金1億円以下、または常勤従業員数100人以下 ■サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く):資本金5,000万円以下、または常勤従業員数100人以下 ■小売業:資本金5,000万円以下、または常勤従業員数50人以下 ■ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業および工業用ベルト製造業を除く):資本金3億円以下、または常勤従業員数900人以下 ■ソフトウェア業または情報処理サービス業:資本金3億円以下、または常勤従業員数300人以下 ■旅館業:資本金5,000万円以下、または常勤従業員数200人以下 ■その他の業種:資本金3億円以下、または常勤従業員数300人以下 「常勤従業員」とは労働基準法第20条に基づき「予め解雇の予告を必要とする者」を指します。パートタイマーでも週の労働時間等によっては常勤従業員にカウントされる場合があるため、自社の実態に基づいて確認してください。なお、要件の充足は応募申請時点で判断されます。
個人事業主は申請できるか
申請可能です。公募要領では対象者を「会社又は個人」と明記しており、個人事業主も中小企業者として申請できます。ただし、「法人格のない任意団体」は補助対象外とされています。個人事業主が申請する場合、資本金に相当する概念として「出資の総額」が参照されますが、個人事業主には資本金の概念がないため、実質的には常勤従業員数の基準が主たる判断軸となります。詳細な取り扱いは公募要領で要確認です。
みなし大企業とは何か・除外される条件
「みなし大企業」とは、資本金・従業員数の数値だけでは中小企業に見えても、実質的に大企業の傘下にある事業者のことです。公募要領では以下のいずれかに該当する場合、みなし大企業として補助対象外になると定められています。 ① 大企業が発行済株式の総数または出資総額の1/2以上を所有している ② 大企業が発行済株式の総数または出資総額の2/3以上を所有している(複数の大企業の合計も含む) ③ 大企業の役員・職員を兼務している者が役員総数の過半数を占めている ④ 上記①〜③に該当する中小企業者が発行済株式の総数を所有している ⑤ 上記①〜③に該当する中小企業者の役員・職員を兼任している者が役員総数の全てを占めている ⑥ 上記①〜⑤に該当する中小企業者が発行済株式の総数の1/2以上を所有している なお、中小企業投資育成株式会社や投資事業有限責任組合が株式を保有する場合は、みなし大企業の規定が適用されません。また、JV(協同企業体)の場合は出資総額の過半数が大企業または みなし大企業であれば補助対象外となります。みなし大企業の判定は応募申請日から補助事業完了まで継続して行われ、期間中に該当することになった場合は交付決定が取り消されます。
要件充足のタイミングと「目的的変更」への注意
補助対象者の要件は、本公募回の応募申請時点において満たしている必要があります。注意が必要なのは、申請時点や事業実施期間中に限って資本金の減資や従業員数の削減を行い、事業終了後に増資・増員するといった対応です。公募要領によると、このような「専ら本補助金の対象事業者となることを目的とした変更」と認められた場合、申請時点に遡って補助対象外となる可能性があります。さらに、みなし大企業やみなし同一事業者として不採択になった事業者が、次回以降の公募回に向けて株式保有割合等を変更する場合も同様に補助対象外となる可能性があるため注意が必要です。
中小企業者に該当しない組織形態・特定事業者について
組合や連合会・財団法人(公益・一般)・社団法人(公益・一般)・医療法人・法人格のない任意団体は、中小企業等経営強化法に基づく中小企業者には該当せず、原則として補助対象外です。ただし、中小企業者の定義に該当しない場合でも、「特定事業者の一部」として申請できる可能性があります。特定事業者の一部とは、資本金10億円未満かつ業種別の常勤従業員数の基準(製造業・建設業・運輸業で500人以下など)を満たす会社・個人や、生活衛生同業組合・技術研究組合などの特定の組合形態が該当します。自社の組織形態が該当するかどうかは、公募要領p.18の詳細要件で確認してください。
海外企業・公的機関の扱い
公募要領によると、海外企業についても資本金および従業員数がともに中小企業者の基準値を超え、かつ特定事業者にも該当しない場合は大企業とみなされます。また、自治体等の公的機関は中小企業基本法の適用外であり、大企業とみなされます。これらは補助対象外となります。
よくある質問
Q.資本金が基準を超えていても従業員数が少なければ申請できますか?
はい、申請できます。中小企業者の要件は「資本金または常勤従業員数が基準以下」であるため、どちらか一方が基準内であれば該当します。ただし、みなし大企業の判定(株式保有割合等)は別途確認が必要です。
Q.創業直後で決算未了の個人事業主でも申請できますか?
応募申請時点で中小企業者の要件を満たしていれば申請は可能です。ただし、決算未了の場合の従業員数の確認方法や必要書類については、公募要領で要確認です。
Q.親会社が外資系企業の場合、みなし大企業になりますか?
公募要領によると、海外企業であっても資本金・従業員数がともに中小企業者の基準を超える場合は大企業とみなされます。その海外企業が発行済株式の1/2以上を保有していれば、みなし大企業に該当し補助対象外となります。持株比率が1/2未満であっても、複数の大企業合計で2/3以上に達する場合も同様です。
Q.医療法人は対象外と聞きましたが、例外はありますか?
公募要領には「医療法人は補助対象外」と明記されており、現時点で確認できた公募要領には例外規定の記載はありません。詳細は事務局の公表情報で要確認です。
Q.社外取締役・監査役が大企業出身でもみなし大企業になりますか?
公募要領によると、みなし大企業の判定で参照する「役員」には、会社法上の社外取締役および監査役は含まれないと明記されています。そのため、社外取締役や監査役が大企業の役員・職員を兼任していても、その事実だけではみなし大企業には該当しません。
Q.補助事業の実施中に大企業に買収された場合はどうなりますか?
応募申請日から補助事業完了までの間にみなし大企業に該当することになった場合、交付決定が取り消されると公募要領に明記されています。M&Aや株主変更の予定がある場合は、事前に事務局へ相談することを推奨します。
Q.ゴム製品製造業の従業員数上限が900人と特に多いのはなぜですか?
中小企業基本法上、ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ・チューブ製造業および工業用ベルト製造業を除く)は、業種特性を考慮して従業員数の上限が900人と設定されています。本補助金の公募要領もこの法律上の定義を踏襲しています。業種の正確な分類については、日本標準産業分類等を参照の上、公募要領で要確認です。
Q.この補助金は旧「ものづくり補助金」と同じ制度ですか?
別制度です。2026年度(令和8年度)に、旧「中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」を統合して新設された制度です。対象者の定義や要件は本制度の公募要領に基づいて判断する必要があります。
出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第1回 p.16 ・ 公募要領 第1回 p.22 ・ 公募要領 第1回 p.7 1.革新的新製品・サービス枠概要 ・ 公募要領 第1回 p.9 3.グローバル枠概要 ・ 公募要領 第1回 p.18
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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/4