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新事業進出・ものづくり補助金 審査項目 完全ガイド|技術・事業化・政策面の評価対応

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/8/2
審査は「外部有識者の審査委員会」が書面で評価する

本補助金では、申請時に提出した事業計画等を外部有識者からなる審査委員会が審査・評価し、補助金交付候補者を採択します。審査は書面審査が中心であり、定性・定量の両面から具体的根拠を示した計画書を作成することが合否を左右します。第1回の採択発表は2027年1月頃(予定)です。本ページの情報は公募要領(第1回)に基づきますが、公募回ごとに内容が変更される場合があります。また採択を保証するものではありません。

審査の全体構造:どこで評価が決まるか

公募要領によると、審査項目はp.6に明示されており、書面審査の内容を十分確認したうえで事業計画書を作成することが求められています。審査委員会は、補助対象者・補助対象事業の要件を満たしているか、事業計画書の内容が本補助金の趣旨に沿っているかを確認し、評価の高いものから順に採択候補者として決定します。申請内容や提出書類に不備・不足がある場合は審査対象外となるため、提出前の最終確認が不可欠です。なお、採択後も交付審査や実績報告時に補助対象外と判断される経費が出る場合があるため、経費計上は慎重に行う必要があります。

技術面の評価観点:革新性をどう示すか

技術面では、開発する製品・サービスに「技術的革新性」があるかどうかが核心的な評価軸です。公募要領が示す計画書作成のポイントによれば、革新的新製品・サービス枠では「開発する新製品・新サービスの革新性について、具体的かつ詳細に記載する」ことが明示されています。計画書では、自社の既存技術との差異、競合他社にはない独自性、および特許等の知的財産戦略(出願予定や取得済み権利)を根拠とともに記述することが有効です。単なる性能向上ではなく、市場や顧客にとっての新しい価値を生み出す革新であることを、図表や写真も活用しながら具体的に示してください。審査項目の詳細は公募要領p.6で要確認です。

事業化面の評価観点:実現可能性と市場性の証明

事業化面では、①市場規模の有望性、②競合優位性(差別化)、③実施体制・スケジュール・財務の3点が主要な評価軸です。公募要領は「継続的に売上・利益を確保できる市場規模を有し、かつ成長が見込まれる市場であること」の提示を求めています。さらに、外部環境・内部環境の分析(SWOT等)に基づき、競合他社と比べた明確な優位性が確立できることを「具体的に」示す必要があります。体制面では、誰が・何を・いつ担当するかを明示したスケジュール表と、財務状況の裏付け資料が有効です。新事業進出枠では「過去に製造等した実績がない製品等に取り組むこと」「既存事業と顧客層が異なること」の明示も必須です。

政策面の評価観点:賃上げ目標と付加価値額の設定

政策面の評価では、賃上げへのコミットメントが重要な位置を占めます。公募要領によると、一人当たり給与支給総額を基準値(年率3.5%以上)以上増加させる目標値を申請者自身で設定し、交付申請時までに全従業員または従業員代表者に表明することが必要です。基準値より高い目標値を設定した場合、「その高さの度合い及び実現可能性に応じて審査で評価される」と明記されています。また、付加価値額の年平均成長率4.0%以上も要件として設定されており、これらの数値目標は算出根拠を具体的に示したうえで記載する必要があります。補助事業終了後も毎年度の事業化状況等報告で達成状況が確認されます。

申請枠別の計画書対応:3枠の書き分けポイント

3枠それぞれで、計画書に盛り込むべき固有の要素が異なります。【革新的新製品・サービス枠】は技術的革新性の具体的・詳細な説明が最重要で、機械装置・システム構築費が補助対象経費に必須です。【新事業進出枠】は「過去製造実績なし」「既存顧客層との相違」の論証に加え、機械装置・システム構築費または建物費のどちらかが必須経費に含まれる必要があります。【グローバル枠】は海外販路開拓戦略が自社事業戦略に根ざしていること、顧客層が国・地域単位で既存事業と異なることの説明が求められます。いずれの枠でも、経営理念・中長期ビジョンの中での本事業の位置づけを明確にすることが共通の重要事項です。

計画書作成の実践ポイント:採点者に伝わる書き方

公募要領が明示する計画書作成のポイントを整理すると、(1)定性・定量の両情報を組み合わせて具体的根拠を示すこと、(2)図表・写真を適切に活用すること、(3)数値目標(付加価値額・給与・最低賃金)は算出根拠まで記載すること、(4)事業内容に直接関係のない個人情報(顔写真等)は掲載しないこと、の4点が挙げられます。また、外注費については事業計画書に外注先の概要と選定理由を具体的に記載することが義務付けられており、記載が不十分な場合は交付審査で補助対象外となるリスクがあります。審査委員が短時間で評価することを念頭に、結論を先に書き、根拠で補強する構成を意識してください。

審査結果の通知と注意事項

採択・不採択の結果は事務局から通知されます。採択案件については、商号または名称(法人番号含む)と補助事業計画名(30字程度)等が公表されます。採択結果についての理由開示および異議申立は一切受け付けられません。また、採択されたことで申請時の全経費が補助対象と認められるわけではなく、交付審査や実績報告時に個別経費の適否が改めて判断されます。一過性の支出が補助対象経費の大半を占める場合は補助対象外となる点にも注意が必要です。

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よくある質問

Q.審査項目の詳細な配点や優先順位は公開されていますか?

事務局の公表情報によると、審査委員会が外部有識者で構成されることは明記されていますが、各審査項目の配点や重み付けの詳細は本ページ執筆時点で確認できた公募要領には記載がありません。書面審査の全体像はp.6に記載されているため、公募要領原文で直接ご確認ください。

Q.賃上げ目標を基準値より高く設定するメリットはどの程度ありますか?

公募要領には「基準値より高い目標値を設定した場合、その高さの度合い及び実現可能性に応じて審査で評価される」と明記されています。つまり単に高い数字を掲げるだけでなく、その実現根拠(売上計画・利益見込みとの整合性など)をセットで示さなければ評価につながりません。根拠なき高目標はかえってマイナス評価になりえます。

Q.新事業進出枠で「顧客層が異なる」ことはどのように証明すればよいですか?

既存事業の主要顧客(業種・規模・地域・購買行動等)を整理し、新規事業で想定する顧客との相違点を具体的なデータや市場調査結果で示す方法が有効です。顧客インタビュー結果や業界統計なども根拠として活用できます。単なる「異なる」という主張ではなく、誰に・何を・なぜ売るかの論理的な流れで記述することが求められます。

Q.外注費に上限はありますか?また計画書への記載は必須ですか?

公募要領によると、外注費の補助上限は補助対象経費総額(税抜き)の4分の1と定められています。また事業計画書への外注先概要と選定理由の記載が義務付けられており、交付審査で必要性が認められない場合は補助対象外となる場合があります。外注先の選定理由は「なぜ自社でなくその事業者に委託するか」を客観的に説明する内容が求められます。

Q.事業計画書に図表や写真を使っても問題ありませんか?

公募要領は「必要に応じて図表や写真等を用いてください」と積極的な活用を推奨しています。ただし、事業内容に直接関係のない個人情報(社長・役員・従業員・顧客の顔写真等)の掲載は禁止されているため、図表・写真の選択は事業の説明に直結するものに限定してください。

Q.採択後に経費が補助対象外と判断されるケースはどんな場合ですか?

主なリスクとして、①一過性の支出が補助対象経費の大半を占める場合、②機械装置等の耐用年数省令に基づく審査で要件を満たさないと判断された場合、③外注費で計画書への記載が不十分と判断された場合、④申請枠で必須とされる経費区分(機械装置・システム構築費または建物費)が実際に含まれていない場合などが挙げられます。申請前に経費区分の要件を公募要領で十分に確認することが重要です。

Q.グローバル枠では海外販路戦略をどの程度具体的に書けばよいですか?

公募要領は「海外販路を開拓するための戦略が自社の事業戦略に基づくものであること」「顧客層が国・地域単位で既存事業と異なること」の2点を求めています。具体的には、ターゲット国・地域の市場規模データ、現地のパートナー候補や販売チャネル、参入タイムラインを示した上で、なぜその国・地域を選ぶかの戦略的根拠を記述することが有効です。単なる「海外展開したい」という意欲表明では不十分です。

Q.不採択になった場合、理由を教えてもらえますか?

採択結果についての理由開示は一切受け付けられないと公募要領に明記されています。異議申立も同様に受け付けられません。次回公募への改善につなげるためには、採択事例(公表される補助事業計画名等)や支援機関のアドバイスを参考にしながら、自社で計画書を見直すことが現実的なアプローチです。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1回 p.6 3.審査項目公募要領 第1回 p.11公募要領 第1回 p.26公募要領 第1回 p.28公募要領 第1回 p.36公募要領 第1回 p.41

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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/2