新事業進出・ものづくり補助金 税制優遇との併用ガイド|圧縮記帳・経営強化税制の基本
新事業進出・ものづくり補助金(第1回)は、固定資産の取得に充てた補助金に限り圧縮記帳が認められることが公募要領に明記されています。一方、技術導入費や専門家経費など固定資産以外に充てた補助金への圧縮記帳は適用外です。中小企業経営強化税制・投資促進税制との併用については、公募要領に直接の言及がないため、所轄税務署や認定経営革新等支援機関への相談をお勧めします。本ページの情報は公募回ごとに変更される場合があります。また採択を保証するものではありません。
補助金の税務上の取り扱い:課税対象になる点を押さえる
公募要領によると、補助金は経理上、支払いを受けた事業年度の収入として計上する必要があり、法人税等の課税対象となります。補助金を受け取ったからといって非課税にはならない点に注意が必要です。最大9,000万円規模の補助金を受けた場合、そのまま収益計上すると当期の税負担が大きく増える可能性があります。そこで重要になるのが圧縮記帳の活用です。
圧縮記帳が認められる範囲と認められない範囲
公募要領(p.54)では、固定資産の取得に充てるための補助金については圧縮記帳が認められると明記されています。機械装置や建物など設備投資に対応する部分の補助金がこれに該当します。一方、技術導入費・専門家経費など固定資産の取得以外に充てた部分の補助金については、圧縮記帳の適用が認められないと公募要領に明示されています。複数の経費区分にまたがって補助金を受け取る場合は、固定資産分と非固定資産分を明確に区分して経理処理することが求められます。具体的な計算方法は税理士や税務署にご確認ください。
中小企業経営強化税制・投資促進税制との関係
中小企業経営強化税制(即時償却または10%税額控除)や中小企業投資促進税制(30%特別償却または7%税額控除)は、設備投資を行った中小企業が活用できる税制優遇措置です。ただし、これらの税制と本補助金との具体的な併用条件・制限については、本ページ執筆時点で確認できた公募要領には記載がありません。補助金で取得した資産に対して税制優遇を重ねて適用できるかどうかは、補助金額の圧縮記帳処理後の取得価額の扱いにも関わるため、公募要領で要確認のうえ、所轄税務署または認定経営革新等支援機関にご相談ください。
証拠書類の保存義務:税務調査に備えた経理管理
公募要領によると、補助事業に係る経理の収支の事実を明確にした証拠書類を整理し、補助金を受給した年度の終了後5年間保存しなければなりません。この期間は税務上の帳簿書類保存義務期間とも重なる部分があります。また、会計検査院や事務局による抜き打ち実地検査が補助金支払い以降も行われる可能性があるため、税務・補助金両面での書類管理体制を整えておくことが重要です。
財産処分制限と税務計画への影響
公募要領では、取得価格または効用の増加価格が単価50万円(税抜き)以上の機械・器具等は処分制限財産として定められており、一定期間内に処分する場合は事前に事務局の承認が必要です。補助金で取得した設備を減価償却・除却・売却する計画がある場合、この処分制限との整合性を事前に確認しておく必要があります。税務上の固定資産台帳管理と補助金管理を連動させて運用することをお勧めします。
事業化状況報告と補助金返還リスクの把握
補助事業完了後も最大6回(5年間)にわたり事業化状況の報告が義務付けられています。賃上げ要件等の達成状況が不十分と認められた場合には、交付された補助金額を上限として返還を求められる場合があります。補助金を返還した場合の税務処理(圧縮記帳した分の戻入処理等)についても、事前に税理士に確認しておくと安心です。
よくある質問
Q.補助金全額に圧縮記帳を適用できますか?
固定資産の取得に充てた部分のみに適用が認められます。技術導入費や専門家経費など固定資産以外に充てた部分への適用は認められないと公募要領に明示されているため、経費区分ごとに丁寧に仕訳を行うことが必要です。
Q.経営強化法の「経営力向上計画」の認定は税制優遇にも必要ですか?
中小企業経営強化税制の適用には経営力向上計画の認定が必要とされる場合があります。本補助金でも特定非営利活動法人は交付申請時までに経営力向上計画の認定を受けることが要件となっています。税制優遇との関係の詳細は所轄税務署または認定経営革新等支援機関に確認することをお勧めします。
Q.補助金を受け取った年度に多額の税金がかかる心配はありますか?
補助金は受け取った事業年度の収入として課税対象になります。ただし、固定資産取得部分については圧縮記帳により課税タイミングを分散できます。具体的な節税効果は設備投資額や補助金額の構成によって変わるため、事前に税理士へのシミュレーションを依頼することが有効です。
Q.リース共同申請の場合、圧縮記帳はどこが適用できますか?
リース共同申請では補助金がリース会社に交付される仕組みです。この場合の圧縮記帳の適用可否や処理方法については、本ページ執筆時点で確認できた公募要領には詳細な記載がありません。リース会社と税理士を交えて事前に確認することをお勧めします。
Q.補助金を返還することになった場合、圧縮記帳の処理はどうなりますか?
賃上げ要件未達等により補助金の返還が生じた場合の税務処理(圧縮記帳の戻入処理等)については、公募要領の記載範囲外となります。返還事由が生じた場合は速やかに税理士に相談し、適切な会計・税務処理を行ってください。
Q.証拠書類は何年間保存すればよいですか?
公募要領によると、補助金を受給した年度の終了後5年間の保存が義務付けられています。税務上の保存義務も考慮して、補助事業関連書類は一元管理することを推奨します。
Q.第1回の申請期限はいつですか?
事務局の公表情報によると、申請受付開始は2026年9月30日、締切は2026年10月30日18時(厳守)です。採択発表は2027年1月頃(予定)とされています。なお、この補助金は2026年度に旧ものづくり補助金等の後継として新設された制度であり、次回以降の公募回で内容が変更される可能性があります。
出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第1回 p.16 ・ 公募要領 第1回 p.18 ・ 公募要領 第1回 p.19 ・ 公募要領 第1回 p.54
新事業進出・ものづくり補助金の関連記事
- 賃上げ要件の詳細と未達時の返還リスク|新事業進出・ものづくり補助金(第1回)
- 新事業進出・ものづくり補助金 付加価値額 完全ガイド|年平均成長率4.0%の設計と返還リスク
- 不採択になる主な理由と再申請のポイント:審査で落ちやすい計画の特徴と立て直し方【新事業進出・ものづくり補助金 第1回】
- 新事業進出・ものづくり補助金 グローバル枠 完全ガイド|上限9,000万円・海外展開の要件と裏付け資料
- 飲食向けの新事業進出・ものづくり補助金活用ガイド:対象になりやすい設備・経費、3つの申請枠の選び方、申請で押さえるポイント
- 情報通信向けの新事業進出・ものづくり補助金活用ガイド:対象になりやすい設備・経費、3つの申請枠の選び方、申請で押さえるポイント
他の補助金の同テーマ解説
公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/5