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新事業進出・ものづくり補助金 採択後手続き完全ガイド|交付申請・実績報告・確定検査の証憑

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/8/3
採択されてからが本番——10ステップの全体像と証憑管理の要点

採択通知を受け取っても、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。公募要領によると、①公募→②電子申請→③採択通知→④交付申請→⑤交付決定→⑥補助事業実施期間(状況報告)→⑦実績報告→⑧確定検査→⑨請求→⑩支払、という10段階を経て初めて入金となります。さらに支払後も最長5年間の事業化状況報告義務があります。各段階で必要な証憑を正しく準備・保管しておくことが、補助金を確実に受け取るための最重要ポイントです。本ページは2026年度第1回の公募要領に基づいており、公募回ごとに内容が変更される場合があります。また採択を保証するものではありません。

ステップ④ 交付申請:採択後に改めて経費を精査される

交付申請とは、採択後に事務局へ補助対象経費の詳細を申請する手続きです。公募要領によると、採択結果は「事業計画に記載のあるすべての経費・金額に対して補助金交付を保証するものではない」と明記されており、事務局が改めて経費の適切性を精査します。精査の結果、申請時の補助金申請額から減額、または全額対象外となる場合もあります。交付申請の時点で経費区分・金額・根拠資料を整理しておくことが不可欠です。なお、グローバル枠で海外旅費を計上する場合は、交付申請時に海外渡航の計画をあらかじめ申請することが必要とされています。

ステップ⑤⑥ 交付決定後の実施期間:「事前着手禁止」と変更手続き

交付決定日より前の発注・契約・購入は補助対象外です。補助事業実施期間内に、契約(発注)・納入・検収・支払・実績報告書提出のすべてを完了させる必要があります。期間の延長は原則認められず、天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合のみ例外的に認められることがあります。また、実施場所の変更は原則不可。経費の配分・内容変更、補助事業の中止・廃止・承継を行う場合は事前に事務局の承認が必要です。承認なく変更した場合、補助対象外となるリスクがあります。

ステップ⑦ 実績報告:経費区分ごとに異なる証憑の要件

実績報告では、経費区分に応じた証憑の提出が求められます。公募要領で確認できる主な要件は以下のとおりです。【広告宣伝・販売促進費】複数者からの見積書と価格妥当性の確認資料(金額を問わず必須)、成果物の写真等をすべて提出。ネット広告等の電子媒体は掲載時期・内容・事実が確認できる資料が必要。ウェブサイト構築費が100万円(税抜)以上の場合は、作業単価・工数・作業時間・固定費用・担当者・勤務記録等の開発費用算出資料も追加で必要です。【子育て等職場環境整備の取り組み】申請時に選択した取り組み(ライフデザインサービス活用等)が実施されたかを示す証憑の提出が求められます。なお、補助事業を他者に承継した場合、承継日以降の証憑は承継先の事業者名で作成されていることが必要です。

広告宣伝・販売促進費の上限計算:売上高見込みの5%ルール

広告宣伝・販売促進費には補助上限額があり、「事業計画期間内の補助事業における売上見込み額合計÷事業計画年数×5%」で算出します。対象となるのは補助事業で製造・提供する製品・サービスの広告(パンフレット・動画・写真等)、媒体掲載、ウェブサイト構築、展示会出展、ブランディング・プロモーションに係る経費です。一方、補助事業以外の既存製品・サービスの広告費や会社全体のPR広告は補助対象外です。実績報告時には、補助事業実施期間内に広告が実際に使用・掲載され、展示会が開催されたこと等の確認が求められます。

グローバル枠のみ対象:海外旅費・通訳翻訳費の証憑と上限

グローバル枠に採択された場合のみ、海外旅費と通訳・翻訳費が補助対象となります。海外旅費の上限は補助対象経費総額(税抜)の5分の1で、一度の渡航での使用は事業者3名まで(専門家・通訳者が同行する場合はさらに2名まで)、1人あたり最大50万円(補助金額として)。旅費支給の細則は事務局が定める基準によりますが、公募要領第1回公開時点では「後日公開予定」とされているため、事務局サイトで最新情報を確認してください。通訳・翻訳費の上限は30万円(税抜)で、広告宣伝に必要な翻訳のみ対象。事業計画に係る契約書の翻訳は対象外です。

ステップ⑧ 確定検査:取得財産の処分制限と賃上げ目標の確認

確定検査では、実績報告の内容をもとに交付額が確定します。補助事業で取得した財産は「専ら補助事業に使用」することが原則で、既存事業や事業計画書に記載のない事業に転用した場合は補助対象外とみなされ、残存簿価相当額等の納付が求められます。また、採択要件として設定した賃上げ目標(一人当たり給与支給総額を基準値比3.5%以上増加)の達成状況も確認されます。事業場内最低賃金の目標値未達の場合は補助金の一部返還を求められることがありますが、企業全体で当該事業年度の営業利益が赤字の場合や天災等の場合は返還が求められないとされています。

ステップ⑪ 支払後も続く:5年間の事業化状況報告

補助金受領後も、事業化状況の報告義務が最長5年間続きます。公募要領のスキーム図に明記されている事項で、補助事業で生み出した製品・サービスの売上状況や事業の継続状況を定期的に報告します。具体的な報告様式・頻度・提出先については公募要領で要確認です。また、財産処分の制限(補助目的に反する使用・譲渡・担保提供・廃棄等の禁止)もこの期間を通じて継続します。処分する場合は残存簿価相当額または譲渡額等により、当該財産に係る補助金額を限度に納付義務が発生します。

外部支援者(認定支援機関等)活用時の注意点

採択後の手続きにおいても外部支援者を活用すること自体は問題ありません。ただし公募要領では、高額な成功報酬の請求・経費の水増し提案・不透明な契約といった悪質な業者への注意が明示されています。事務局は申請支援の実態調査や通報窓口の設置を行っており、不適切な行為が認定支援機関によるものであれば、機関名の公表・業務改善命令・認定取消に至る可能性もあります。経費計上や証憑準備においても、必ず事業者自身が内容を把握・確認することが重要です。

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よくある質問

Q.採択通知が届いたら、まず何をすればよいですか?

交付申請の準備に着手してください。採択はあくまで「候補者」としての通知であり、交付申請後に事務局が経費の適切性を精査して初めて交付決定となります。この段階で経費区分・金額・根拠資料(見積書等)を整理しておくと、その後の手続きがスムーズになります。グローバル枠の場合は海外渡航計画も交付申請時に提出が必要です。

Q.交付決定前に機器を発注してしまった場合、どうなりますか?

交付決定日より前の発注・契約・購入は補助対象外となります。たとえ採択通知後であっても、交付決定前の発注は認められません。準備や商談を進めることは問題ありませんが、正式な発注・契約は必ず交付決定後に行ってください。

Q.ウェブサイト制作費を計上しましたが、実績報告で何を提出すればよいですか?

金額を問わず複数者からの見積書と価格妥当性を示す証憑が必要です。加えて、補助事業実施期間内にウェブサイトが公開されたことを示す証跡(スクリーンショット等)も求められます。さらに100万円(税抜)以上の場合は、作業単価・工数・作業時間・固定費用・担当者情報・勤務記録等の開発費用算出資料の提出も必要となります。

Q.補助事業実施期間中に会社の代表者が変わった場合、手続きは必要ですか?

役員変更により「みなし大企業」や「過去の交付決定事業者のみなし同一事業者」に該当する場合は、交付決定が取り消されます。そうした変更が生じる可能性がある場合は、事前に事務局へ相談することを強くお勧めします。なお、株主・役員の変更は応募申請日から補助事業完了まで監視対象となっています。

Q.個人事業主が補助事業の途中で法人化する場合、どうなりますか?

個人事業主の法人化は「補助事業の承継」として扱われます。承継日以降は法人が補助事業者となるため、その後に発生する請求書・納品書等の証憑はすべて法人名義で作成されている必要があります。承継前の個人名義の証憑が法人化後の日付で発生した場合は補助対象外となりますので注意が必要です。

Q.賃上げ目標を達成できなかった場合、補助金を全額返還しなければなりませんか?

返還額は交付された補助金額が上限で、全額返還とはなりません。公募要領によると、事業場内最低賃金の目標値が返還計算対象となる場合の返還額は「補助金交付額÷事業計画期間の年数」とされています。ただし、当該事業年度に企業全体で営業利益が赤字の場合や天災等の場合は返還を求めないとされています。

Q.子育て等職場環境整備の取り組みについて、実績報告で何を提出しますか?

申請時に選択した取り組み(ライフデザインサービスの活用等)が実際に行われたことを示す証憑の提出が必要です。具体的な証憑の種類は選択した取り組み内容によって異なりますが、実施記録・利用証明書・参加者リスト等が想定されます。詳細な提出書類については事務局の公表情報で要確認です。なお、プラチナくるみん・くるみん・トライくるみんのいずれかを取得済みの事業者はこの要件が免除されます。

Q.補助事業で取得した設備を既存事業でも使えますか?

原則として認められません。補助事業で取得した財産は「専ら補助事業に使用」することが求められており、事業計画書に記載された新事業以外での使用は「補助金の交付目的に反する使用」とみなされます。その場合、残存簿価相当額等の納付義務が生じる可能性があります。設備の使用範囲については、導入前に事務局へ確認することをお勧めします。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1回 p.30公募要領 第1回 p.34 1.事業のスキーム①公募②申請(電子申請)③補助金交公募要領 第1回 p.13公募要領 第1回 p.52公募要領 第1回 p.2公募要領 第1回 p.11

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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/8/3