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省力化投資補助金(一般型)省力化指数 完全ガイド|計算式・対象業務・事業計画の書き方

監修:松下 大中小企業診断士/認定経営革新等支援機関株式会社SMARTコンサルティング
最終更新:2026/7/25
省力化指数とは何か、なぜ重要なのか

省力化指数は「設備導入によって削減される業務時間の割合」を数値化した指標で、公募要領によると事業計画の必須記載事項かつ審査の重要評価軸です。計算式は「(削減前の業務時間 − 削減後に残る業務時間)÷ 削減前の業務時間」で、値が大きいほど高評価につながります。事業計画書に省力化指数を記載する際は、算出根拠の妥当性も同時に問われます。本ガイドは第7回公募(受付期間2026年7月1日〜31日)の公募要領に基づいて作成していますが、制度内容は公募回ごとに変更される場合があり、採択を保証するものではありません。

省力化指数の計算式と各要素の読み方

公募要領(p.6)に定義された計算式は次のとおりです。 省力化指数 = [(設備導入により削減される業務に要していた時間)−(設備導入後に発生する業務に要する時間)] ÷(設備導入により削減される業務に要していた時間) 【分子】削減前と削減後の時間差。設備を入れることでゼロにならない業務(設備の監視・メンテナンス・搬入補助など)があれば、それを差し引きます。 【分母】削減される業務について、導入前に実際に費やしていた時間の合計。この「削減される業務に要していた時間」が基準になるため、対象業務の範囲をどう設定するかが指数の大小を左右します。 計算結果は0〜1の小数(例:0.75)または百分率(75%)で表現できます。分母に含める時間が広いほど、また分子(削減幅)が大きいほど指数は高くなりますが、審査では「算出根拠が妥当かどうか」も評価されます。根拠のない水増しは審査上マイナスになるため注意が必要です。

どの業務を「削減される業務」に含めるか:対象業務の設定方法

公募要領は「削減される業務に要していた時間には既存業務の削減業務の時間を組み込むことが基本」としています。つまり、現在実際に行っている業務のうち、設備導入によって短縮・不要になる工程の時間を積み上げるのが原則です。 【既存業務で含めやすい例】 ・ラインへの手動投入・取り出し作業 ・検品・計測・仕分けなど繰り返し作業 ・データの手入力・転記業務 ・清掃・段取り替えの一部工程 【新規出店の場合の特例】公募要領は「新規出店を行う場合では、新たな業務プロセスで潜在的・将来的に存在する人手の削減時間も組み込むことが可能」と明記しています。これは、まだ存在しない店舗・拠点の業務量を推計して分母に加算できるという意味です。推計の際は類似業態の実績データや業界標準値など、客観的な根拠を用意することが重要です。 【含めるべきでない業務】設備導入とは無関係な業務、間接部門の一般管理業務など、因果関係が説明できない業務を含めると審査で指摘される可能性があります。

時間データの測り方:根拠資料の作り方

審査では「算出根拠が妥当か」が明示的に評価されます(公募要領p.29)。以下の方法で根拠を整備してください。 【ステップ1:業務フローの可視化】 対象工程を細分化し、各作業のサイクルタイム・頻度・担当人数を一覧化します。工程ごとに「1回あたりの時間(分)×1日の実施回数×稼働日数×担当人数」で年間時間を積算します。 【ステップ2:計測・記録】 ストップウォッチ計測や作業日報、タイムスタンプ付きの生産管理システムのデータなど、客観的な記録を根拠資料として添付します。勘や口頭説明だけでは根拠として不十分と判断されるリスクがあります。 【ステップ3:導入後の残存業務時間の推計】 設備メーカーやSIerから仕様書・実績データを入手し、導入後に残る監視・点検・段取り時間を算出します。SIerとの連携が推奨されているのはこのためです。 【ステップ4:指数の計算と感度確認】 保守的・楽観的の両シナリオで指数を試算し、根拠資料と整合する値を事業計画に記載します。事業計画書(指定様式)への記入に際しては、算出根拠を別紙で補足することが求められています(公募要領p.28)。

省力化指数を事業計画書に書く際の構成と注意点

公募要領p.28・p.29を踏まえると、事業計画書には次の4点をセットで記載することが求められます。 ①現状の人手不足・業務課題の説明 人手不足の状況を具体的な数値(欠員数、残業時間数など)で示し、解決すべき工程を特定します。 ②設備導入内容とその省力化メカニズム 導入するオーダーメイド設備の型番・仕様・SIer名を記載し、「この設備がどの工程をどう自動化するか」を工程図や写真で説明します。 ③省力化指数の計算表と根拠資料 業務別の時間一覧、計算式の適用結果、根拠データの出所を明示します。カタログ注文型の製品カタログ登録カテゴリに相当する製品の場合は、その旨を記載すると審査で考慮されます。 ④省力化された労働力の再配置計画 省力化で浮いた時間・人員をどの業務に振り向け、付加価値額や賃金向上につなげるかを記載します。公募要領は「部分的な省力化に留まらず会社全体にシナジーをもたらす取組」を評価基準に掲げており、省力化指数の高さだけでなくその後の活用計画が問われます。

省力化指数と投資回収期間・付加価値額の関係

省力化指数は単独で評価されるのではなく、投資回収期間・付加価値額とセットで技術面審査の対象となります(公募要領p.29)。 【投資回収期間との関係】 公募要領(p.7)によると、投資回収期間 = 投資額 ÷(削減工数×年間稼働日数×人件費単価 + 増加した付加価値額)で計算されます。省力化指数が高い=削減工数が大きいほど、投資回収期間が短くなりやすく、審査での評価が上がります。両者は同じ「削減される業務時間」を起点に計算されるため、一貫した時間データを使用することが重要です。 【付加価値額との関係】 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費(公募要領p.6)。省力化で浮いた人員を高付加価値業務に再配置すると、人件費総額を維持したまま営業利益が増加し、付加価値額の成長につながります。この「省力化→再配置→付加価値向上」のストーリーを事業計画書で一貫して記述することが、審査全体の評価を高めるポイントです。

よくある失敗パターンと対策

【失敗1:対象業務が設備と無関係】 「工場全体の残業時間を削減」など、設備が直接関与しない業務の時間を分母に含めるケース。対策:設備が自動化する具体的工程のみに絞り込む。 【失敗2:根拠資料がない】 「担当者の感覚で1日3時間削減」と記載するだけで計測データを添付しないケース。対策:作業日報・生産管理ログ・SIerの仕様書を根拠として提出する。 【失敗3:削減後の残存業務をゼロと仮定】 設備導入後も監視・点検・例外処理などの業務が残るにもかかわらず、分子の「削減後に発生する業務時間」をゼロとするケース。対策:SIerへのヒアリングで残存業務を洗い出し、控えめに見積もる。 【失敗4:省力化指数だけ高くて活用計画がない】 指数の計算は精緻でも、省力化された人員の再配置や賃上げ計画が曖昧なケース。対策:省力化後の業務シフト・新規業務への投入計画を事業計画書に明記する。 【失敗5:投資回収期間・付加価値額と数値が矛盾】 省力化指数の計算で使った削減時間と、投資回収期間の計算で使った削減工数が一致しないケース。対策:全指標を同一の業務時間データから一貫して導出する。

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よくある質問

Q.省力化指数に目標値(最低ライン)はありますか?

公募要領には省力化指数の最低基準値は明記されていません。審査では「省力化指数が高い取組であることが示されており、その算出根拠が妥当か」という観点で評価されます。指数の絶対値より、根拠の明確さと業務再配置のストーリーが採否に影響します。

Q.新規出店の場合、まだ存在しない業務の時間をどう推計すればよいですか?

既存店舗の実績データや同業態の標準的な人員配置データを活用し、「新店舗で想定される業務量」を推計する方法が考えられます。推計の前提条件(店舗規模・営業時間・取扱品目数など)を明示し、客観的な参照元を示すことで根拠の妥当性を確保してください。具体的な推計手順については公募要領で要確認です。

Q.カタログ注文型の製品を一般型で申請した場合、省力化指数の扱いは変わりますか?

公募要領によると、カタログ注文型の製品カタログに登録されているカテゴリに該当する製品を一般型で導入する場合、審査の際に考慮されます。省力化指数の計算方法自体は同じですが、製品カタログへの該当をアピールすることで審査上プラスに働く可能性があります。

Q.省力化指数の計算に使う「時間」は年間単位でなければなりませんか?

公募要領の定義式は時間の単位を特定していませんが、投資回収期間の計算式(p.7)が「年間稼働日数」を用いているため、年間ベースで統一して計算するのが整合性の面で適切です。1日・1週間単位で計測した後、年換算に変換して記載してください。

Q.設備導入後に省力化指数の実績値が計画値を下回った場合、補助金の返還が求められますか?

公募要領によると、効果報告等で確認されるのは「労働生産性」や「1人当たり給与支給総額」の伸び率です。省力化指数そのものの達成率で直接返還を求める旨の記載は、公募要領で確認できた範囲にはありません。ただし、賃上げ目標値を達成できなかった場合は達成率に応じた返還が求められる可能性があります。詳細は公募要領で要確認です。

Q.SIerが作成した省力化効果の試算書を根拠資料として使えますか?

SIerからの試算書は有効な根拠資料の一つとなり得ます。公募要領もSIerとの連携を前提として制度を設計しています。ただし、試算の前提条件(稼働時間・処理速度・不良率など)が自社の実態に即しているかを確認し、必要に応じて自社の計測データで補完することで、根拠の妥当性がより高まります。

Q.複数の工程にまたがって設備を導入する場合、省力化指数はどう集計しますか?

工程ごとに削減前・削減後の業務時間を算出し、それらを合計したうえで計算式に代入する方法が考えられます。「分母=各工程の削減前時間の合計、分子=各工程の削減幅の合計」として一つの指数を出すことで、複合的な省力化効果を一括して示すことができます。工程別の内訳を別表で示すと、審査での根拠説明が容易になります。

Q.事業計画書の指定様式はどこで入手できますか?

事務局の公表情報によると、指定様式は省力化投資補助金事務局サイト(https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/)からダウンロードできます。事業計画書(その3)では、営業利益・人件費等を入力すると労働生産性等が自動算出される仕様となっています。省力化指数や投資回収期間は同様式に記載が求められますので、最新版を必ず確認してください。

出典:省力化投資補助金 事務局サイト公募要領 第7回 p.6公募要領 第7回 p.11公募要領 第7回 p.7公募要領 第7回 p.28公募要領 第7回 p.29公募要領 第7回 p.10

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公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/25