省力化投資補助金(一般型)第7次:採択される事業計画書の書き方
最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関
省力化投資補助金(一般型)は、カタログ注文型より審査項目が多く、省力化指数・投資回収期間・付加価値額・オーダーメイド設備の4つの観点を軸に、技術面・計画面・政策面で総合評価されます。公募要領に定められた計算式に基づいて数値を算出し、その根拠を丁寧に示すことが採択への近道です。受付期間は2026年7月1日〜7月31日。GビズIDの取得に2〜3週間かかるため、早急に準備を進めてください。
審査は「目的適合・技術・計画・政策」の4軸で行われる
審査は大きく4つの軸で構成されています。①目的適合面:事業が省力化・人手不足解消という制度目的に沿っているか。②技術面:省力化指数・投資回収期間・付加価値額・オーダーメイド設備の4観点で評価。③計画面:社内体制・財務状況・スケジュールの具体性、全社的な生産性向上や賃上げの実現可能性。④政策面:地域経済への波及効果、事業承継を契機とした取り組みなど。計画書はこの軸に沿って構成することで審査員が評価しやすくなります。
技術面の核心:省力化指数・投資回収期間・付加価値額の計算方法
公募要領に定められた3つの計算式を正確に使うことが必須です。 【省力化指数】=(削減される業務時間 − 設備導入後に発生する業務時間)÷ 削減される業務時間。既存業務の削減時間を組み込むことが基本で、新規出店時は潜在的な人手の削減時間も含められます。 【投資回収期間】= 投資額 ÷(削減工数 × 年間稼働日数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)。分母の各数値に具体的な根拠(タイムスタディ記録、賃金台帳等)を添付することが求められます。 【付加価値額】= 営業利益 + 人件費 + 減価償却費。事業計画期間(3〜5年)内に設備投資前より増加する計画を示す必要があります。指定様式(事業計画書その3)に必要事項を入力すると自動算出できます。
オーダーメイド設備であることを明確に示す
一般型では「オーダーメイド設備」であることの説明が必須です。オーダーメイド設備とは、ICT・IoT・AI・ロボット・センサー等を活用し、事業者の個々の業務に応じて専用設計された機械装置・システムを指します。汎用設備であっても、①導入環境に応じて周辺機器や機能が変わる場合、または②省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることでより高い効果が見込める場合は対象になり得ます。ただし汎用設備を単体でそのまま導入する事業は対象外です。SIer(システムインテグレータ)との連携内容や、自社の業務フローに合わせた設計の経緯を具体的に記述してください。カタログ注文型の製品カタログに登録されているカテゴリに該当する製品を導入する場合は、審査で考慮される旨が公募要領に明記されています。
計画面で差がつく:全社シナジーと賃上げの実現可能性
審査では「部分的な省力化に留まらず、会社全体にシナジーや成果をもたらす取り組みか」が問われます。具体的には、省力化で生まれた時間・労働力を高付加価値業務に振り向け、賃上げにつなげるリソース最適化の観点を盛り込むことが重要です。また、社内外の実施体制(担当者・専門知識・事務処理能力)、直近の財務状況、サイバーセキュリティ対策の状況なども評価対象です。金融機関から資金調達を予定している場合は、金融機関による事業計画の確認書の提出が必要です。労働生産性・1人当たり給与支給総額の算出根拠が妥当かも確認されます。
よくある不備:これが原因で不採択になりやすい
①省力化指数の根拠が曖昧:業務時間の削減量を感覚的に記載し、タイムスタディや作業記録などの裏付けがない。②投資回収期間の分母が不明確:人件費単価や稼働日数の根拠資料を添付していない。③汎用設備の単体導入:カタログ製品をそのまま1台導入するだけの計画はオーダーメイド設備として認められない可能性が高い。④付加価値額の増加根拠が薄い:「省力化により売上が上がる」という漠然とした記述で、具体的な業務フローの変化が示されていない。⑤計画支援者名の未記載:申請代行業者等から支援を受けているにもかかわらず「事業計画書作成支援者名」欄が空白の場合、虚偽申請として採択取消・補助金返還・公表の対象になり得ます。
賃上げ要件と未達時の返還リスクを理解する
基本要件として、事業場内最低賃金の引き上げや給与支給総額の増加などが課されています(最低賃金引上げ特例適用事業者は一部要件が異なります)。要件が未達の場合は補助金の返還を求められるリスクがあります。特に大幅賃上げ特例を適用して補助上限を引き上げた場合、年平均成長率がゼロまたはマイナスであれば全額返還となる可能性もあります。計画策定時は、無理のない賃上げ目標を設定し、実現可能性を丁寧に説明することが重要です。具体的な要件数値・返還条件は公募要領で要確認です。
申請前チェックリスト:提出書類と準備のポイント
①GビズIDの取得(取得に2〜3週間かかるため最優先で手続き)。②指定様式の確認:事業計画書(その3)で付加価値額・労働生産性が自動算出されることを確認。③省力化指数の根拠資料(タイムスタディ記録、工程図など)の整備。④投資回収期間の根拠資料(賃金台帳、年間稼働日数の記録など)の整備。⑤金融機関による確認書(資金調達予定の場合)。⑥1人当たり給与支給総額の確認書(指定様式)。⑦事業計画書作成支援者がいる場合は支援者名・報酬額の記載。第7次の受付は2026年7月1日〜7月31日です。
省力化投資補助金の申請、専門家に無料で相談する
無料で相談するよくある質問
Q.カタログ注文型と一般型、どちらで申請すべきですか?
まずカタログ注文型の製品カタログを確認し、導入予定の製品がカタログに掲載されているかを確認することが推奨されています。カタログ注文型は申請が迅速・簡易です。一般型はオーダーメイド設備など審査項目が多く、しっかりとした計画書作成が必要です。カタログ製品でも、周辺機器の追加や複数台の組み合わせで一般型の対象になる場合があります。
Q.省力化指数の計算で「設備導入後に発生する業務時間」とは何を指しますか?
設備の保守点検や操作・監視など、設備を導入したことで新たに必要になる業務の時間を指します。削減できる時間から差し引くことで、純粋な省力化効果を示す指標となります。この計算には根拠となる資料の添付が求められます。詳細な計算方法は公募要領で要確認です。
Q.事業計画期間は何年に設定すべきですか?
公募要領では3〜5年と定められており、補助事業が完了した事業年度(決算年度)の翌年度を1年目として計算します。期間が短いほど目標達成のハードルが高くなりますが、投資回収期間との整合性も考慮して設定してください。
Q.汎用設備(市販ロボット等)でも申請できますか?
汎用設備を単体でそのまま導入する事業は対象外です。ただし、①導入環境に応じて周辺機器や機能が変わる場合、②省力化に資する汎用設備を複数組み合わせてより高い効果が生まれる場合は、オーダーメイド設備とみなされる可能性があります。自社の業務フローへの適合性とSIerとの設計経緯を具体的に説明することが重要です。
Q.申請代行業者に依頼する場合、注意点はありますか?
支援を受けた場合は申請画面の「事業計画書作成支援者名」「作成支援報酬額」欄への記載が必須です。記載がないことが判明した場合、不採択・採択取消・補助金返還・事業者名公表などの措置が取られる可能性があります。また、実際の費用とかけ離れた高額な成功報酬を請求する悪質な業者への注意が公募要領でも呼びかけられています。
Q.賃上げ目標を高く設定するとどんなメリット・リスクがありますか?
大幅な賃上げに取り組む場合、補助上限額が引き上げられる特例があります。ただし目標未達の場合は上限引き上げ額相当の補助金返還が求められます。年平均成長率がゼロまたはマイナスであれば全額返還となる可能性もあります。実現可能性の高い目標設定と、達成に向けた具体的な根拠の記載が重要です。具体的な数値要件は公募要領で要確認です。
Q.省力化ナビの登録は必須ですか?
第6回以降、省力化ナビの登録・活用が加点項目に追加されています。必須要件かどうかの詳細は公募要領で要確認ですが、加点を得るために積極的に活用することが推奨されます。
Q.GビズIDはいつまでに取得すれば間に合いますか?
取得には2〜3週間かかることがあります。第7次の受付期間は2026年7月1日〜7月31日のため、申請を検討している方は今すぐ手続きを開始することを強くお勧めします。GビズIDがないと電子申請ができません。
出典:省力化投資補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第7次 p.11 11ださい ・ 公募要領 第7次 p.7 1.補助対象者」に記載する従業員数に役員(個人事業主 ・ 公募要領 第7次 p.12 1-1 ・ 公募要領 第7次 p.29 1.中小企業省力化投資補助事業(一般型)の目的」に沿 ・ 公募要領 第7次 p.3 3報酬等を請求する悪質な業者等にご注意ください ・ 公募要領 第7次 p.6 2.定義本公募要領における定義は、次のとおりとします
公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13