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3つの申請枠(革新的新製品・サービス/新事業進出/グローバル)の違いと選び方:上限額・下限額・補助率・対象経費を比較

最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

どの枠を選べばよいか、一言で言うと?

「新製品・新サービスを開発したい」なら革新的新製品・サービス枠、「既存技術を活かして全く新しい事業領域に踏み出す」なら新事業進出枠、「自発的に海外の新市場を開拓する」ならグローバル枠が基本的な目安です。補助下限額(革新的新製品・サービス枠は100万円、他2枠は750万円)が大きく異なるため、投資規模と事業の性格を照らし合わせて枠を絞り込むことが最初のステップになります。

3枠の補助上限・下限・補助率を一覧で確認する

【革新的新製品・サービス枠】補助下限100万円。補助上限は従業員数1〜5人750万円/6〜20人1,000万円/21〜50人1,500万円/51人以上2,500万円。賃上げ特例適用時はそれぞれ850万円・1,250万円・2,500万円・3,500万円に引き上げ。補助率は中小企業者1/2(小規模企業・小規模事業者および再生事業者は2/3)。事業実施期間は交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)。 【新事業進出枠】補助下限750万円。補助上限は従業員1〜20人2,500万円/21〜50人4,000万円/51〜100人5,500万円/101人以上7,000万円。賃上げ特例適用時は順に3,000万円・5,000万円・7,000万円・9,000万円。補助率は中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例適用で2/3)。事業実施期間は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)。 【グローバル枠】補助下限750万円。補助上限・従業員区分は新事業進出枠と同じ水準(賃上げ特例時の括弧内上限も同様)。補助率は中小企業者2/3(特例による追加引上げの記載は公募要領で要確認)。事業実施期間は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)。

各枠が対象とする「事業の中身」の違いを押さえる

【革新的新製品・サービス枠】顧客に新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発が対象。既存製品のプロセス改善や機械導入だけでは対象外。また、同業他社に既に相当程度普及しているものも対象外とされています。 【新事業進出枠】公募要領に記載された補助上限・補助率・補助対象経費の情報から判断すると、既存技術や経営資源を活かしつつ新たな事業領域へ進出する取組を支援する枠と位置づけられます。ただし、枠の詳細要件は公募要領本文で要確認です。 【グローバル枠】自社製品等を活用して自発的に新たな海外市場(既存事業で対象としていなかった国・地域)を開拓するための国内製造等拠点の強化が対象。取引先主導の事業は「自発的な取組」に該当せず補助対象外。行政区画ではなく統計上の国・地域単位で「新たな市場」かどうかを判定します。

補助対象経費の違い:グローバル枠だけが使える費目に注意

3枠に共通して認められる主な経費は、機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費です。 新事業進出枠とグローバル枠には加えて「建物費」が計上可能です(革新的新製品・サービス枠の対象経費一覧には建物費の記載なし)。 さらにグローバル枠のみに認められる専用費目として、「海外旅費」と「通訳・翻訳費」があります。海外旅費は補助対象経費総額の1/5が上限で、1回の渡航あたり事業者3名まで・1人最大50万円(補助後)が限度。通訳・翻訳費は30万円(税抜)が上限です。 広告宣伝・販売促進費には別途上限があり、事業計画期間1年当たりの補助事業による売上高見込み額(税抜)の5%が上限となっています。どの枠でも適用されるルールのため、過大計上に注意が必要です。

「投資規模」と「事業フェーズ」で枠を絞り込む実践的な考え方

補助下限額の差が枠選びの重要な分かれ目です。革新的新製品・サービス枠は下限100万円のため、比較的小規模な開発投資でも申請できます。一方、新事業進出枠とグローバル枠は下限750万円であり、交付申請時の経費精査で補助金額がこの水準を下回ると採択取消になるリスクがあります。 事業実施期間も判断材料になります。革新的新製品・サービス枠は交付決定から10か月以内と短く、スピード感のある開発プロジェクト向き。新事業進出・グローバルの両枠は14か月以内で、設備投資や海外展開準備に一定の時間を確保できます。 海外市場を新たに開拓する計画がある場合はグローバル枠が唯一の選択肢ですが、「取引先から要請された輸出」は対象外である点に注意してください。自社主導の海外展開かどうかを事前に整理することが重要です。

申請前に確認すべき手続き上の注意点

電子申請にはGビズIDが必須で、取得まで2〜3週間かかります。第1次の受付開始は2026年8月31日・締切は9月30日18時のため、まだ取得していない場合は早急に手続きを進めてください。 経費の見積もりについては、1件あたり50万円(税抜)以上の契約先には3者以上からの同一条件の見積もり取得が義務づけられています。金融機関確認書を発行した金融機関や事業計画の作成支援者への発注・見積もりは認められません。採択後に追加計上もできないため、申請時点で必要な経費をもれなく計上することが求められます。 なお、本補助金は2026年度(令和8年度)に新設された制度であり、旧「ものづくり補助金」「中小企業新事業進出補助金」とは別制度です。制度の内容・要件・スケジュールは公募回ごとに変更される可能性があるため、必ず最新の公募要領を事務局サイトで確認してください。

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よくある質問

Q.複数の枠に同時に申請することはできますか?

公募要領の抜粋には複数枠の同時申請可否についての記載がありません。公募要領で要確認です。

Q.革新的新製品・サービス枠で「小規模企業者」と認定されると補助率はどうなりますか?

公募要領によると、小規模企業・小規模事業者および再生事業者は補助率2/3が適用されます。中小企業者(それ以外)は原則1/2です。小規模企業者の定義については公募要領で要確認です。

Q.グローバル枠で「新たな海外市場」かどうかはどう判断するのですか?

既存事業で対象としていなかった国・地域の市場が「新たな海外市場」とされます。ここでいう地域とは行政区画ではなく、統計上国に準じてカウントされる領域です。具体的な判定基準は公募要領で要確認です。

Q.賃上げ特例を活用すると補助上限はどのくらい上がりますか?

革新的新製品・サービス枠の例では、従業員1〜5人の場合750万円→850万円、51人以上の場合2,500万円→3,500万円に引き上げられます。新事業進出枠・グローバル枠では従業員1〜20人の場合2,500万円→3,000万円、101人以上の場合7,000万円→9,000万円が上限となります。賃上げ特例の詳細要件(給与支給総額成長率等)は公募要領で要確認です。

Q.補助下限額を下回ったらどうなりますか?

交付申請時の経費精査の結果、補助金額が補助下限額(革新的新製品・サービス枠は100万円、新事業進出枠・グローバル枠は750万円)を下回ると採択取消となります。経費が全額補助対象外と判断された場合も同様です。

Q.広告宣伝費に上限はありますか?

はい。事業計画期間1年当たりの補助事業における売上高見込み額(税抜)の5%が上限です。計算式は「事業計画期間内の売上見込み額合計÷事業計画年数×5%」となります。

Q.海外旅費はグローバル枠以外でも使えますか?

いいえ。公募要領によると、海外旅費はグローバル枠のみが対象の費目です。革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠では計上できません。

Q.申請後に経費の項目を追加できますか?

応募申請時に計上していない経費を交付申請時に新たに計上することは認められません。必要な経費はすべて申請段階でもれなく計上してください。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1次 p.9 3.公募要領 第1次 p.7 1.公募要領 第1次 p.9 8補助上限額(補助下限額公募要領 第1次 p.30 29広告宣伝・販売促進費補助上限額:事業計画期間1年公募要領 第1次 p.51 50(補助金額の減額)⚫公募要領 第1次 p.8 7補助対象経費

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13