製造業向けの新事業進出・ものづくり補助金活用ガイド:対象になりやすい設備・経費、3つの申請枠の選び方、申請で押さえるポイント
最終更新:2026/7/12|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関
新事業進出・ものづくり補助金(第1次)は、2026年度に創設された補助金で、旧ものづくり補助金などの後継にあたります。製造業にとって核心となるのは「機械装置・システム構築費」が主要経費として認められている点です。補助上限は最大9,000万円(賃上げ特例適用時)、補助率は1/2〜2/3。3つの申請枠から自社の取り組みに合ったものを選ぶことが採択への第一歩です。本制度は公募回ごとに内容が変更される場合があります。必ず最新の公募要領をご確認ください。
3つの申請枠の違いと選び方
枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3種類です。製造業が選ぶ際の大まかな目安は次のとおりです。①革新的新製品・サービス枠:技術的革新性のある製品・サービス開発が目的で、機械装置・システム構築費が必須経費です。②新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を目指す場合に使います。機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必須です。補助率は中小企業者1/2(賃上げ等の特例で2/3に引き上げ可)。③グローバル枠:自社製品を活用した自発的な新たな海外市場開拓(輸出)を支援する枠で、国内製造等拠点の強化が対象です。取引先主導の事業は対象外。補助率は中小企業者2/3。補助下限額はいずれも750万円。どの枠が最適かは公募要領で詳細要件を確認の上、認定経営革新等支援機関などに相談することをお勧めします。
製造業で対象になりやすい設備・経費
公募要領に明記された補助対象経費のうち、製造業が活用しやすい主な項目を挙げます。【機械装置・システム構築費】加工機・検査装置・生産管理システムなど「専ら補助事業のために使用」される機械や専用ソフトウェアが対象です。ただし船舶・航空機・車両及び運搬具は対象外です。リース・レンタルも条件付きで認められます。【建物費】新事業進出枠・グローバル枠では建物費も計上可能です。【その他の対象経費】技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費が共通して認められています。グローバル枠はさらに海外旅費・通訳翻訳費も対象です。なお、一過性の支出が補助対象経費の大半を占める計画は補助対象外となるため注意が必要です。また、採択後も交付審査・実績報告で経費の妥当性が改めて確認され、認められない経費が生じる場合があります。
補助上限額と補助率の早見表
新事業進出枠・グローバル枠の補助上限(補助下限750万円)は、従業員数によって異なります。1〜20人:2,500万円(賃上げ特例適用時3,000万円)、21〜50人:4,000万円(同5,000万円)、51〜100人:5,500万円(同7,000万円)、101人以上:7,000万円(同9,000万円)。補助率は新事業進出枠が中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、グローバル枠が中小企業者2/3。革新的新製品・サービス枠の補助上限・補助率の詳細は公募要領でご確認ください。補助事業の実施期間は交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)です。
審査で重視される3つのポイント
公募要領の審査基準から、製造業経営者が特に意識すべき点を整理します。①補助対象事業の要件への適合:申請枠ごとの要件を満たし、必要経費が事業目的達成のために合理的かどうかが確認されます。②経営戦略との整合性:これまでの事業との一貫性、外部環境・自社強みを踏まえた競争優位性、現状課題の認識と高付加価値化への実効性が評価されます。③事業の実現可能性:付加価値額・賃上げの目標値とその実現可能性、遂行体制の確保(人材・事務処理能力)、製品やサービスの顧客ターゲット・ニーズの明確性、資金調達の見込みが審査されます。グローバル枠の場合は輸出先国・地域のリスク・法規制・商習慣の把握も求められます。採択は評価の高いものから行われますが、採択が補助金の交付を保証するものではありません。
申請前に必ず確認すること
①GビズIDの取得:電子申請に必須で、取得に2〜3週間かかります。受付開始(2026年8月31日)までに余裕をもって取得してください。②締切厳守:第1次の受付期間は2026年8月31日〜2026年9月30日18時です。③賃上げ要件の確認:補助上限引き上げには給与支給総額の年平均成長率3.5%以上等の賃上げ特例要件があります。また付加価値額の年平均成長率4.0%以上も事業計画上の要件です。詳細条件は公募要領で要確認。④認定経営革新等支援機関への相談:事業計画の作成・審査対策として早期に相談することを推奨します。
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無料で相談するよくある質問
Q.既存の生産ラインを更新するだけでも対象になりますか?
既存設備の単純な更新は、技術的革新性や新市場進出という本補助金の趣旨に沿わない可能性があります。革新的新製品・サービス枠や新事業進出枠の要件に照らし、取り組みの内容を精査してください。詳細は公募要領および認定支援機関にご確認ください。
Q.車両(トラックなど)を購入する費用は対象ですか?
公募要領では「車両及び運搬具」は機械装置・システム構築費の対象外と明記されています。製造に直接使わない車両の購入は計上できません。
Q.グローバル枠で海外子会社の設備投資を支援してもらえますか?
グローバル枠は国内の輸出体制強化(国内製造等拠点の強化)を支援する枠です。海外拠点への直接的な設備投資が対象かどうかは公募要領で要確認です。
Q.補助下限額750万円を下回る計画では申請できませんか?
公募要領では補助下限額750万円と定められています。補助金額(補助対象経費×補助率)が750万円を下回る計画は申請できません。
Q.採択されたら全額補助してもらえますか?
補助金は補助対象経費の1/2または2/3が上限です。残りは自己負担となります。また採択後も交付審査・実績報告で経費の妥当性が確認され、一部が補助対象外となる場合があります。採択は補助金交付の保証ではありません。
Q.旧ものづくり補助金と何が違いますか?
本制度は2026年度に新規創設された別制度です。旧ものづくり補助金・旧中小企業新事業進出補助金の後継として位置づけられますが、制度設計・要件・枠の名称等が異なります。過去の申請経験があっても、本制度の公募要領を改めてご確認ください。
Q.GビズIDを持っていない場合、今から取得できますか?
取得に2〜3週間かかるため、締切(2026年9月30日)を考えると早急に手続きを開始してください。GビズIDの申請は中小企業庁のGビズIDサイトから行えます。詳細は公募要領で要確認です。
Q.賃上げ特例を使わない場合、補助率はどうなりますか?
新事業進出枠は中小企業者1/2、グローバル枠は中小企業者2/3が基本補助率です。革新的新製品・サービス枠の補助率は公募要領で要確認です。特例なしでも申請は可能ですが、補助上限額は引き上げ前の額が適用されます。
出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト ・ 公募要領 第1次 p.9 3. ・ 公募要領 第1次 p.8 7補助対象経費 ・ 公募要領 第1次 p.9 8補助上限額(補助下限額 ・ 公募要領 第1次 p.26 1.補助対象経費の区分」で定める経費です ・ 公募要領 第1次 p.26 1. ・ 公募要領 第1次 p.42 3.補助対象事業の要件」を満たすか
公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/12