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採択される事業計画書の書き方:審査項目に沿った構成・数値計画・よくある不備【新事業進出・ものづくり補助金 第1次】

最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

事業計画書は「審査項目の網羅+具体的な根拠」が最重要

公募要領は、定性・定量の両面から具体的な理由や根拠を示しつつ、審査項目に記載された内容をすべて網羅した計画書を求めています。図表・写真の活用も推奨されており、読み手(審査員)が自社の優位性・実現可能性・数値目標の妥当性をひと目で理解できる構成が採択への近道です。ただし採択を保証するものではありません。

①審査項目に対応した計画書の基本構成

公募要領が示す「事業計画書作成のポイント」に沿って章立てを組むと、審査項目の抜け漏れを防げます。具体的には、(1)経営理念・中長期ビジョンと本事業の位置づけ、(2)市場規模と成長性の根拠、(3)外部・内部環境分析に基づく競合との差別化、(4)体制・スケジュール・財務状況による実現可能性、(5)付加価値額・賃上げ・事業場内最低賃金の数値目標と算出根拠、という流れが基本です。申請する枠(革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠)に応じた追加記載事項も必ずカバーしてください。

②枠別に追加で必要な記載事項

三つの枠はそれぞれ固有の記載要件があります。【革新的新製品・サービス枠】開発する製品・サービスの革新性を具体的かつ詳細に説明する必要があります。【新事業進出枠】過去に製造等した実績がない製品・サービスへの取組みであること、既存事業と新規事業で顧客層が異なることを明示します。【グローバル枠】海外販路開拓の戦略が自社の事業戦略に基づくこと、顧客層が国・地域単位でこれまでの事業と異なることを示します。これらの要件が計画書に明示されていないと審査上の大きなマイナスになります。

③付加価値額目標値の算出と記載方法

付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却費」で計算します。基準となる付加価値額は補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の数値です。事業計画期間(補助事業終了後3〜5年)の最終年度において、年平均成長率(CAGR、複利計算)4.0%以上の増加を達成する目標値を自社で設定します。計画書には「なぜその数値になるか」という算出根拠を具体的に記載することが必須です。目標値は採択後も毎年度の事業化状況等報告で達成状況を確認されます。

④賃上げ・事業場内最低賃金の目標値設定と注意点

一人当たり給与支給総額の目標値は、給与支給総額(役員報酬・福利厚生費・退職金を除く)を対象従業員数で割って算出します。中途採用・退職者など全月分の給与支給を受けていない従業員は算出対象から除外し、パートタイム従業員は正社員就業時間換算で人数を計上します。事業場内最低賃金は、毎年、都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準の維持が要件です。目標値が未達の場合は補助金の一部または全額返還義務が発生するため、達成可能な水準を慎重に設定し、算出根拠を計画書に明記してください。また、従業員等への目標値の表明が行われていなかった場合は交付決定の取り消しと全額返還の対象となります。

⑤数値計画(財務計画)作成のポイント

市場規模と成長性については、業界統計・公的データなど客観的な出典を示しながら「自社が狙う市場の規模感と成長トレンド」を定量的に説明します。売上・利益の見込みは「誰に・何を・いくらで・何件売るか」という積み上げ根拠を示すと説得力が高まります。単なる前年比〇〇%増という記載だけでは根拠として不十分です。図表を活用して視覚的にわかりやすくまとめることも公募要領で推奨されています。

⑥よくある不備・失敗パターン

審査で指摘されやすい不備として以下が挙げられます。(1)審査項目の一部が記載されておらず網羅性に欠ける、(2)差別化の根拠が「当社は高品質」など抽象的で競合比較がない、(3)数値目標の算出根拠が「業界平均を参考」など曖昧、(4)体制・スケジュールが計画書に記載されていない、(5)枠固有の要件(新事業進出枠なら顧客層の違いなど)の記述が薄い、(6)社長・役員の顔写真など事業内容に直接関係のない個人情報を掲載している(公募要領で明示的に禁止)。また、他の補助金との補助対象経費の重複は不採択・虚偽申請と判断されるリスクがあるため、必ず事前確認と電子申請システムへの入力を行ってください。

⑦免責事項・制度変更への注意

本記事は公募要領(第1次)の抜粋と文脈情報をもとに作成していますが、補助金制度は公募回ごとに要件・金額・審査基準が変更されることがあります。また、本補助金は2026年度(令和8年度)に創設された新制度であり、旧「ものづくり補助金」「中小企業新事業進出補助金」とは別制度です。申請前には必ず最新の公募要領を事務局サイトで確認し、必要に応じて認定経営革新等支援機関等の専門家に相談することを強くお勧めします。

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よくある質問

Q.事業計画書に字数制限や枚数制限はありますか?

公募要領の抜粋には具体的な字数・枚数制限の記載がありません。詳細は公募要領本文または電子申請システムの画面で要確認です。

Q.付加価値額の「基準年度」はどの年度ですか?

補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の付加価値額が比較基準となります。自社の補助事業スケジュールを踏まえて特定してください。

Q.目標値を達成できなかった場合、補助金は全額返還になりますか?

賃上げ目標未達の場合、未達成率に応じた一部返還が基本です。ただし、一人当たり給与支給総額の年平均成長率がゼロまたはマイナスの場合は全額返還となります。付加価値額が増加していないかつ事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合や天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還が求められないケースもあります。

Q.他の補助金を過去に受けていると申請できませんか?

過去の受給自体が申請不可とはなりませんが、補助対象経費が重複する場合は対象外です。過去・現在に交付決定を受けた補助金等は必ず電子申請システムに入力する必要があり、記載漏れは虚偽申請として不採択になります。

Q.図表や写真は使っていいですか?

公募要領は必要に応じて図表や写真等を活用するよう推奨しています。ただし、事業内容に直接関係のない個人情報(社長・役員・従業員・顧客の顔写真等)は掲載しないよう明示されています。

Q.新事業進出枠で「顧客層が異なる」とはどう示せばよいですか?

既存事業の顧客属性(業種・年齢層・地域など)と新規事業の顧客属性を対比させ、明確に異なることを具体的なデータや市場調査結果をもとに記載する方法が有効です。抽象的な説明だけでは不十分になる可能性があります。

Q.パートタイム従業員は給与支給総額の計算に含めますか?

含めます。ただし正社員の就業時間に換算して人数を算出する必要があります。また、全月分の給与支給を受けていない従業員(中途採用・退職者等)はその事業年度の算出対象から除く必要があります。

Q.電子申請に必要なGビズIDの準備はいつまでに必要ですか?

GビズIDの取得には通常2〜3週間かかります。第1次の受付締切は2026年9月30日18時のため、まだ取得していない場合は早急に手続きを開始してください。

出典:新事業進出・ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第1次 p.41 1.書面審査」を十分確認のうえ、以下の「事業計画書作公募要領 第1次 p.11 4.0%(以下「付加価値額基準値」という公募要領 第1次 p.11 1.書面審査」をご確認ください公募要領 第1次 p.12 11り、算出の対象から除く必要があります公募要領 第1次 p.12 1-(事業計画期間最終年度における一人当たり給与支給公募要領 第1次 p.25 24⑬

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13