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ものづくり補助金 第23次:採択される事業計画書の書き方【審査項目・数値計画・よくある不備】

最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

事業計画書は「審査項目の網羅」と「数値の根拠」が合否を分ける

ものづくり補助金の事業計画書は、A4・5ページ以内のPDFに審査項目をすべて盛り込む必要があります。公募要領(p.33)は「審査項目に記載されている内容を網羅した」計画書の作成を明示しており、5ページを超えると審査対象外になります。さらに、付加価値額を年率3.0%以上増加させる目標値、賃金・最低賃金の目標値には「算出根拠を具体的に示す」ことが義務付けられています(p.34)。本記事では、審査を通る計画書の構成・数値計画の作り方・よくある不備を解説します。

【ルール確認】5ページ制限と電子申請システム入力の厳格なルール

公募要領p.33には、計画書の提出方法について厳格なルールが定められています。①本文は電子申請システムに入力し、②図・画像は番号を振ってPDFと連携させ、③PDFはA4・5ページ以内に収めること。5ページを超えた場合や、本文をPDFのみで提出した場合は審査の対象外になります。空白ページも1ページとカウントされるため、PDF化前に必ず確認が必要です。また、認定経営革新等支援機関など外部支援者から支援を受けている場合は、支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間を必ずシステムに申告してください。申告漏れが発覚した場合は不採択・採択取消・返還の対象となります。

【審査項目に沿った構成】事業計画書の骨格の作り方

公募要領p.34が示す事業計画書作成のポイントから、記載すべき要素を整理すると次のとおりです。①自社の現状・外部環境・内部環境の分析(SWOT等)、②中長期ビジョンと自社の課題、③課題解決策と「なぜこの補助事業でなければならないか」の理由、④取得する機械装置等の具体的な型番・仕様、⑤新製品・新サービスの開発内容や革新性(高付加価値化枠の場合は詳細に)、⑥ターゲットユーザー・市場規模・価格や性能面での優位性、⑦事業化の見通し(時期・売上規模・価格)と運転資本の調達計画、⑧付加価値額・賃金・最低賃金の各目標値と算出根拠。これらを5ページ内に優先度をつけて配置します。審査員が「なぜこの投資が必要か」を一読で理解できる流れを意識してください。

【数値計画】付加価値額3.0%・賃金目標の根拠の作り方

公募要領p.19によると、事業計画期間(補助事業終了後3〜5年)の最終年度において、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率3.0%以上増加させる目標値の設定と達成が義務付けられています。目標値は申請者自身が設定しますが、計画書には算出根拠を具体的に示すことが求められます(p.34)。実務的な根拠の作り方としては、①現状の付加価値額を財務諸表から算出、②本補助事業による新製品・新サービスの想定売上高の積算(単価×想定販売数量×シェア獲得ロジック)、③それに伴う人件費・減価償却費の変化を反映、④年度ごとの推移表を添付する、という手順が有効です。賃金要件(p.20)についても、昇給・減給・残業変動を考慮した1人あたり給与支給総額の算出が必要です。目標値未達の場合は補助金返還義務があるため(p.23)、達成可能な水準で設定することが重要です。

【返還リスクの理解】目標未達時の返還計算式を知ったうえで目標を設定する

公募要領p.23には、目標未達時の返還計算式が明記されています。賃金の増加要件(1人あたり給与支給総額)が未達の場合、返還額=補助金交付額×(1-実績の年平均成長率÷目標値)となり、成長率がゼロまたはマイナスの場合は全額返還です。最低賃金要件が未達の場合は、補助金交付額を事業計画期間の年数で割った額を毎年返還します。ただし、付加価値額が増加しておらず営業利益赤字が過半数を占める場合や天災など事業者の責めに帰さない事由がある場合は返還免除となります。このルールを踏まえると、目標値は「高く設定して加点を狙う」だけでなく、「現実的に達成できる水準」とのバランスが重要です。目標値の根拠を計画書に丁寧に記載することが、採択後のリスク管理にも直結します。

【よくある不備】審査対象外・減点につながる記載ミス

実務上よく見られる不備は次の点です。①5ページ超過・空白ページの混入による審査対象外(p.33)、②本文をシステム入力せずPDF添付のみで提出(審査対象外)、③外部支援者の申告漏れ(不採択・取消リスク)、④付加価値額・賃金目標の算出根拠が「前年比3%増」など根拠なしの一言で済まされている、⑤取得予定機械の型番・仕様が未記載で投資の具体性が不明、⑥「なぜ自社がこの補助事業をしなければならないか」の必然性の説明が欠如、⑦市場規模やターゲットユーザーが抽象的(「中小企業全般」など)。特に④と⑤は審査員が事業の実現可能性を判断できなくなるため、定性・定量両面の根拠を具体的に記載することが不可欠です(p.34)。

【申請前チェック】GビズIDと認定支援機関の準備

電子申請にはGビズIDが必須で、取得に2〜3週間かかります(文脈情報)。第23次の受付締切は2026年5月8日のため、今から申請する場合は早急に取得手続きを進めてください。また、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認・支援を受けることで、事業計画の実効性向上と加点・要件充足に有効とされています。従業員数21名以上の企業は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・「両立支援のひろば」への公表が交付申請までに必要で、公表手続きに1〜2週間かかるため申請締切3週間前には準備を開始してください(p.20)。

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よくある質問

Q.事業計画書は何ページで作ればよいですか?

A4サイズ5ページ以内のPDFで提出します。5ページを超えると審査の対象外になります。空白ページも1ページとカウントされるため、PDF化前に必ず確認してください(公募要領p.33)。

Q.付加価値額の目標値はどのように設定すればよいですか?

付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率3.0%以上増加させる目標値を自社で設定します。設定した目標値は事業計画期間の最終年度に達成する義務があり、未達の場合は返還リスクがあります。算出根拠(財務データ・売上積算・費用変化の見通し)を具体的に計画書に記載することが求められます(p.19、p.34)。

Q.賃金目標が未達になった場合、全額返還になりますか?

1人あたり給与支給総額の年平均成長率がゼロまたはマイナスの場合は全額返還となります。プラス成長でも目標値に届かない場合は、未達成率に応じた按分額の返還となります。ただし、付加価値額が増加しておらず営業利益赤字が事業計画期間の過半数を占める場合や天災等の場合は返還免除があります(公募要領p.23)。

Q.外部の専門家に計画書作成を依頼した場合、申告は必要ですか?

はい、必須です。認定経営革新等支援機関を含む外部支援者から支援を受けた場合は、支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間を電子申請システムに申告しなければなりません。申告漏れが判明した場合は不採択・採択取消・返還・事業者名公表の対象となります(公募要領p.33)。

Q.機械装置の型番が申請時点でまだ決まっていない場合はどうすればよいですか?

公募要領p.34では「事業期間内に取得する機械装置等の具体的な型番等」を示すよう求めています。申請時点で型番が未確定の場合の具体的な扱いは公募要領で要確認です。少なくとも候補機種や仕様をできる限り具体的に記載し、審査員が投資の必要性を判断できるようにすることが重要です。

Q.高付加価値化枠で申請する場合、計画書で特に注意することはありますか?

公募要領p.34によると、高付加価値化枠(第23次での名称、2026年度以降は革新的新製品・サービス枠に引き継がれる見込み)では、開発する製品・サービスの革新性について「具体的かつ詳細に」記載することが求められています。他社製品との差別化ポイント、技術的な新規性、市場における優位性を定量・定性の両面から説明してください。

Q.最低賃金要件はどのように確認すればよいですか?

補助事業の主たる実施場所の都道府県最低賃金より30円以上高い水準を毎年維持する目標値を設定し、交付申請時までに従業員に表明する必要があります。目標値の表明がなかった場合は交付決定取消・返還となります(公募要領p.20)。都道府県別の最低賃金は厚生労働省ホームページで確認できますが、最新の数値は公募要領で要確認です。

Q.2026年度以降の統合でこの補助金はなくなりますか?

2026年度以降、ものづくり補助金は中小企業新事業進出補助金と統合され「新事業進出・ものづくり補助金」へ再編される予定です(文脈情報)。第23次は2026年5月8日が受付締切のため、現行制度での申請を検討している場合は早急に準備を進めてください。再編後の詳細な制度内容は事務局サイトで要確認です。

出典:ものづくり補助金 事務局サイト公募要領 第23次 p.19 3.0%(以下「付加価値額基準値」という公募要領 第23次 p.20 15昇給や減給、残業時間等の増減等により給与変動があ公募要領 第23次 p.23 2.6公募要領 第23次 p.23 1-(事業計画期間最終年度における公募要領 第23次 p.33 1.2公募要領 第23次 p.34 29事業計画書作成のポイント⚫

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13