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投資額10億円以上の要件の考え方:対象投資の範囲、賃上げ基準率4.5%、申請前に確認すべきこと

最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

この補助金、自社は対象になるのか?投資額・賃上げ要件の基本をまず確認

大規模成長投資補助金(第5次)は、一般企業であれば投資額20億円以上(税抜き・外注費等を除く)、100億宣言企業であれば15億円以上の大規模投資が前提となります。さらに、補助事業終了後3年間にわたり、従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上を達成することが義務付けられています。目標未達の場合は返還義務が生じるため、申請前に投資計画と賃上げ計画の両面を慎重に検討する必要があります。なお、本制度は公募回ごとに要件が変更される場合があり、2026年度以降は他制度との統合も示唆されています。必ず最新の公募要領をご確認ください。

投資額要件:20億円(または15億円)の計算に含まれるものと含まれないもの

投資額の最低ラインは、一般企業向けが20億円以上、100億宣言企業向けが15億円以上で、いずれも税抜き金額が基準です。ただし、この金額は補助対象経費のうち「外注費・専門家経費を除いた部分」で判定されます。つまり、外注費や専門家経費は投資額のカウントから外れる点に注意が必要です。投資場所が複数の地域にまたがる場合も対象になりますが、補助事業の目的・内容が一体的であることが求められます。単独での申請が難しい場合はコンソーシアム(共同申請)形式も選択肢となります(詳細は別セクションで解説)。

賃上げ基準率4.5%とは何か:計算方法と達成できなかった場合のリスク

賃上げ要件は、補助事業が完了した年度(基準年度)の従業員1人当たり給与支給総額と比較して、3事業年度後(最終年度)の同額との年平均上昇率が4.5%以上であることを求めるものです。給与支給総額には給料・賞与・各種手当のうち給与所得として課税対象となるものが含まれます。算定対象の従業員は「全月分の給与支給を受けた従業員」が原則で、中途入社・退職者はその年度の算定から外れ、育児休業等による時短勤務者は除外することができます。目標を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。ただし、天災など事業者の責に帰さない理由がある場合は返還免除の余地があります。また、申請時に掲げた目標は交付決定後に事務局のホームページで公表されるため、対外的な説明責任も伴います。

コンソーシアム(共同申請)形式での投資額要件と注意点

単独では投資規模の要件を満たせない場合、コンソーシアム形式での申請が可能です。この場合、一般企業向けでは参加者のうち少なくとも1者が10億円以上(外注費・専門家経費を除く)の投資を行う中堅・中小企業であること、100億宣言企業向けでは7億5,000万円以上の投資を行う中堅・中小企業が1者以上含まれることが条件です。参加できる事業者数は幹事企業を含めて10者以下で、幹事企業が補助対象要件を満たす必要があります。賃上げ要件は全参加者がそれぞれ基準率以上を達成しなければならず、1者でも未達となれば、その事業者に返還が求められます。また、参加者のうち1者でも申請要件を満たさない事業者がいた場合は、コンソーシアム全体が不採択となる点に十分注意が必要です。

申請前に確認すべき3つのポイント

①GビズIDプライムアカウントの取得:申請は電子申請システムのみで受け付けており、取得に時間がかかる場合があるため早めに準備してください。②従業員数の確認:補助対象者は常時使用する従業員が2,000人以下の会社・個人等が対象です。みなし大企業(親会社が大企業等のケース)に該当すると対象外となります。詳細な判定基準は公募要領で確認が必要です。③賃上げ目標の社内周知:採択後、交付決定までに全従業員または従業員代表者に対して目標水準(目標賃上げ率・最終年度の1人当たり給与支給総額)を表明することが義務付けられており、これを怠ると交付決定の取消となります。さらに、交付決定から原則1か月以内にプレスリリース等で対外公表することも必要です。

補助上限・補助率・補助事業期間の基本情報

補助上限額は50億円、補助率は原則として3分の1以下です。一定の条件のもと補助率4分の1での採択も認められる場合がありますが、その場合でも賃上げ目標の達成は必須です。補助事業期間は、交付決定日から最長で令和10年12月末までとなっています。審査は書面審査(1次)とプレゼンテーション審査(2次)の2段階で行われ、外部有識者が関与します。

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よくある質問

Q.外注費はなぜ投資額のカウントから外れるのですか?

公募要領では、投資額の判定基準を「外注費・専門家経費を除く補助対象経費分」と明記しています。その理由については公募要領に詳細な説明はなく、『公募要領で要確認』となります。外注費を多く含む計画の場合は、投資額の計算を誤りやすいため、事前に事務局への確認をお勧めします。

Q.賃上げ基準率の「4.5%」は毎年4.5%上げ続ける必要があるのですか?

4.5%は毎年の上昇率ではなく、基準年度から3事業年度後(最終年度)までの「年平均上昇率」です。3年間の複利計算で最終年度の給与水準が基準年度比でおおむね14%以上高い水準になることが求められます。毎年の上昇幅は問われませんが、最終的な達成水準が重要です。

Q.補助事業に関わる従業員の範囲はどう決めるのですか?

原則として、補助事業を主として行う事業部門を最小範囲として判定します。判定が困難な場合は、事業者全体を対象にすることも認められています。また、補助事業の効果を会社全体の賃上げにつなげる場合は、事業者全体の従業員数・給与総額を使用することも可能です。

Q.コンソーシアムの幹事企業はどの事業者がなるべきですか?

幹事企業は補助対象要件(従業員数2,000人以下、みなし大企業でないこと等)を満たす企業である必要があります。幹事企業が成長投資計画書を取りまとめて提出する役割を担います。幹事企業以外の参加者は個別の計画書提出は不要ですが、その他の提出資料は作成し、幹事企業経由で締め切りまでに提出する必要があります。

Q.100億宣言企業向け類型を利用するには何が必要ですか?

申請時点までに、申請者の100億宣言が100億宣言ポータルサイトに公表されていることが必要です。また、投資額の下限が15億円(一般枠の20億円より低い)となります。スタートアップ企業の場合、公募開始日から3年以内に100億宣言を行う見込みがある場合の特例もありますが、詳細は公募要領で確認が必要です。

Q.審査はどのように行われますか?

書面審査(1次審査)で形式要件の確認と計画の定量面の評価が行われ、通過した場合にプレゼンテーション審査(2次審査)に進みます。2次審査は地域ブロック単位で開催される審査会で、外部有識者による定性面を含む評価が行われます。なお、審査を通過しても補助金交付が保証されるものではありません。

Q.採択されたら何をプレスリリースで公表する必要がありますか?

交付決定から原則1か月以内に、①本事業に採択された旨、②目標賃上げ率、③投資規模の3点をプレスリリース等で対外的に公表し、事務局に報告する必要があります。この公表を怠ると交付決定の取消となります。

Q.第5次の公募申請の受付期間はいつまでですか?

受付期間の具体的な日程は本記事の根拠とした公募要領抜粋には記載がなく、『公募要領で要確認』です。事務局サイト(chukentou-seichotoushi-hojo.jp)で最新情報をご確認ください。

出典:大規模成長投資補助金 事務局サイト公募要領 第5次 p.35 35(参考4)共同申請(コンソーシアム形式での申請)公募要領 第5次 p.9 9(6)補助事業の要件①公募要領 第5次 p.5 0-oku.smrj.go.jp)※2公募要領 第5次 p.9 4.5%)以上であることが必要です(※5)公募要領 第5次 p.11 11<補助事業に関わる従業員>補助事業に関わる従業員公募要領 第5次 p.18 18(8)事業の流れ①

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13