補助ナビ

採択される事業計画書の書き方:審査項目に沿った構成・数値計画・よくある不備【大規模成長投資補助金 第5次】

最終更新:2026/7/13|監修:中小企業診断士・認定経営革新等支援機関

事業計画書は「審査の2段階構造」を意識して書く

本補助金の審査は、①書面審査(定量面)と②プレゼンテーション審査(定性面を含む)の2段階です。計画書はまず書面審査で形式要件・数値的根拠を確認され、通過者がプレゼン審査に進みます。したがって計画書には、投資額・賃上げ率などの数値を明確に示しつつ、事業の実現可能性と賃上げへの連動ロジックを説得力をもって記述することが求められます。

審査の2段階構造を把握する

公募要領によると、審査は「書面審査(1次)」と「プレゼンテーション審査(2次)」の2段階で実施されます。1次は形式要件(従業員数2,000人以下など)の適格性確認と計画の効果・実現可能性等の定量面の審査、2次は外部有識者による定性面を含む審査です。プレゼン審査は地域ブロック単位で審査会が開催されます。計画書は1次通過を確実にしながら、2次でも評価される内容に仕上げることが重要です。

投資額要件:最低ラインを数値で明示する

補助対象となるには、一般企業向けは外注費・専門家経費を除く補助対象経費分で20億円以上、100億宣言企業向けは15億円以上の投資が必要です(いずれも税抜き)。計画書では、投資額の内訳を経費区分ごとに整理し、要件クリアの根拠を明確に示してください。複数地域への投資も対象になりますが、補助事業の目的・内容が一体的であることを説明する必要があります。外注費や専門家経費は要件の投資額カウントから除かれる点に注意が必要です。

賃上げ数値計画の作り方:年平均4.5%以上を根拠をもって示す

賃上げ要件は、補助事業完了後3年間にわたる補助事業に関わる従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が4.5%以上(一般企業向け基準率)であることです。計算式は「(最終年度の1人当たり給与÷基準年度の1人当たり給与)の3乗根-1」です。計画書では、①基準年度の給与実績、②3年後の目標給与水準、③年平均上昇率の計算根拠を数値で明示してください。目標を従業員または従業員代表者に表明することも交付決定の条件となるため、社内周知の計画も記載するとよいでしょう。未達成の場合は達成率に応じて返還が求められます。

よくある不備①:対象従業員の範囲が曖昧

補助事業に関わる従業員の範囲は、原則として補助事業を主として行う事業部門が最小単位とされています。ただし判定が困難な場合は事業者全体を対象にすることも可能です。算定対象は、基準年度および各算定年度において全月分(12か月分)の給与支給を受けた従業員に限られます。中途採用・退職者や育児休業等による時短勤務者の扱いにも細かいルールがあります。パートタイム従業員は正社員の就業時間に換算して人数を算出する必要があります。計画書にはどの従業員を算定対象とするかを明示しておくと不備を防げます。

よくある不備②:不採択になる事業類型を知る

以下のような事業は不採択または交付決定取消となります。①補助事業の大半を他社に外注・委託し自社が企画のみを行う事業、②実質的に労働を伴わない・資産運用的性格が強い事業(無人駐車場への設備購入のみなど)、③購入設備を自ら使用せず第三者に長期貸与する事業、④農業や漁業など1次産業を補助事業として行う場合。計画書では自社が主体的に事業を実施することを具体的に示す必要があります。

コンソーシアム形式で申請する場合の計画書の注意点

コンソーシアム形式では、幹事企業が全参加者の取組を1つにまとめた計画書を提出します。審査では、全参加者の連携が「一体的な大規模投資」に必要不可欠であることの説明が求められ、必要不可欠性が認められない場合は減点されます。また、コンソーシアム内に申請要件を満たさない事業者がいると全体が不採択となるため、各参加者の要件確認を先に済ませることが重要です。賃上げ要件は事業者ごとに判断され、加点項目は参加者の半数以上が条件に該当する場合に限り加点されます。

採択後の公表・表明義務も計画書に織り込む

採択後は、交付決定から原則1か月以内に採択された旨・目標賃上げ率・投資規模をプレスリリース等で対外的に公表し、事務局に報告する義務があります。公表がない場合は交付決定取消となります。また賃上げ目標水準は交付決定前に全従業員または従業員代表者に表明する必要があり、これも未実施の場合は交付決定取消・補助金返還の対象となります。計画書の段階でこれらの社内・社外周知プロセスを想定しておくと、実施フェーズでの漏れを防げます。

免責事項

本記事の内容は公募要領(第5次)の抜粋に基づく解説です。補助金制度は公募回ごとに要件・スケジュール・審査基準が変更されます。また、2026年度以降の統合・改編の可能性もあります。申請の際は必ず最新の公募要領および事務局(野村総合研究所)の公式情報をご確認ください。本記事は採択を保証するものではありません。

大規模成長投資補助金の申請、専門家に無料で相談する

無料で相談する

よくある質問

Q.計画書で最も重視すべき数値は何ですか?

投資額(一般枠20億円以上、100億宣言枠15億円以上)と、補助事業完了後3年間の従業員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率(4.5%以上)の2点が根幹となります。どちらも要件未達では申請自体が認められないため、計画書の冒頭で明確に示すことが重要です。

Q.賃上げ率の目標は高く設定すべきですか?

達成できなかった場合は未達成率に応じて補助金返還が求められます。目標を高く設定しすぎると返還リスクが高まるため、根拠ある数値で設定することが重要です。具体的な設定水準の考え方は公募要領で要確認ください。

Q.プレゼンテーション審査ではどんな点が見られますか?

公募要領によると、外部有識者が計画の効果・実現可能性等について定性面を含めて審査します。コンソーシアム申請の場合は参加者の必要不可欠性もプレゼン審査で確認されます。具体的な評価基準・配点は公募要領で要確認ください。

Q.外注費が多い計画は不利になりますか?

補助事業の大半を他社に外注・委託し自社が企画のみを行う事業は不採択となります。また外注費は投資額要件のカウントから除かれます。計画書では自社が主体的に実施する部分を具体的に示してください。

Q.コンソーシアムの構成員数に上限はありますか?

幹事企業を含めて10者以下が上限です。また一般企業向け要件では少なくとも1者以上が投資額10億円以上(外注費・専門家経費除く)の中堅・中小企業である必要があります。

Q.申請にはGビズIDが必要ですか?

はい、本事業の申請は電子申請システムのみで受け付けており、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。取得には時間がかかる場合があるため、早めに準備することをお勧めします。

Q.採択後に親会社が変わった場合はどうなりますか?

補助事業期間中に、親会社または子会社等が過去に交付決定を受けているみなし同一法人に該当することとなった場合は、交付決定が取り消されます。M&Aや資本再編を検討している場合は事前に事務局へ相談することをお勧めします。

Q.第5次の申請スケジュールはいつですか?

受付日程の詳細は公募要領で要確認ください。事務局(野村総合研究所)の公式サイトで最新情報をご確認ください。

出典:大規模成長投資補助金 事務局サイト公募要領 第5次 p.35 35(参考4)共同申請(コンソーシアム形式での申請)公募要領 第5次 p.7 7す公募要領 第5次 p.9 9(6)補助事業の要件①公募要領 第5次 p.9 4.5%)以上であることが必要です(※5)公募要領 第5次 p.11 11<補助事業に関わる従業員>補助事業に関わる従業員公募要領 第5次 p.18 18(8)事業の流れ①

監修:松下 大(中小企業診断士/認定経営革新等支援機関)

公募要領等の一次情報に基づき作成。最終更新:2026/7/13